皆さんこんにちは、ゆずです。
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)という名前を聞いたことがあるでしょうか。登山で長時間の下りの時に、膝(ひざ)の外側に痛みが生じて膝を曲げるたびに痛みに悶絶するあれです。なった方には嫌な思い出となるでしょう。
ゆずは正直無縁だと思っていた腸脛靭帯炎に何度もなりまして、登山の下山時に激痛に耐えながら2時間下ったことや、再開してからも登山に行っては痛くなることから満足に登山に行けないストレスを感じたりと、良い思い出はありません。
何度か経験し、ゆずの中で症状と向き合い、改善したことを紹介し、この悩みに苦しんでいる人の助けになればと思います。一応、本職は理学療法士をしていますので身体の構造としてはある程度の知識は持っているつもりなので、参考になればと思います。
原因を知り自分で
- 何故腸脛靭帯炎になっているのか
- 登山を再開していくまでの考え
- 解決する方法の中で実施出来そうで改善に繋がりそうなものがあるか
そのあたりの知識を深めていただければと思います。
- 腸脛靭帯は骨盤~すねにかけて膝の動きを安定させるバンドのようなもの
- 炎症は膝外側の骨のふくらみ(大腿骨外顆)と腸脛靭帯が擦れて起こるもの。痛み自体は滑膜だったり、靭帯だったり意見は色々
- 登山は長時間の登り・下りの屈伸運動の繰り返しなので、その繰り返しが炎症を起こすまでの摩擦を生みだしている
- 摩擦を助長させるのは、身体のゆがみ・筋力低下・関節の固さなど。登山中の登り方や降り方、荷物が重いなども原因の一因となる。
- 実際にゆずも【はじめての長い下り】【慣れないアイゼン歩行】【久しぶりの長時間行動】で結構な腸脛靭帯炎になったことがある
- 治療法としては『炎症を再燃させない』『筋トレやマッサージは継続的に痛みを確認して徐々に増やしていく』『痛みの出ない範囲での登山から徐々に量を増やしていく』『道具のオススメはキネシオロジーテープ』『専門家と一緒に身体を強化し再開していく』
- キネシオロジーテープは筋肉の機能と関節のずれを修正し、血液・リンパ液の循環を良くし、痛みを緩和する能力を活性化させる効果を持つ。ずれないし、導入コストも安いのでオススメ
- 理学療法士が行う整体院に通い、自分の身体の強み・弱みを自分でしっかりと理解。何が原因で膝の痛みが出ているかを、客観的に診てもらう。全ての軸である身体を強くするので投資する価値は非常に高いが、導入コストも高め
何故、腸脛靭帯炎になるのか
まずは腸脛靭帯炎を知る
極力、分かりやすく話してみようと思いますが、身体の構造は複雑です。まずはこの漢字を読み解いて、どんな疾患なのか理解を深めていきましょう。
- 腸:骨盤、腰骨を意味します
- 脛:脛(すね)を意味しますが、いわゆる弁慶の泣き所ではなく、もう少し膝に近い部分を想像してください
- 靭帯:骨と骨とを繋ぎ、関節の運動を制限したり安全にしたりする丈夫な線維性の組織
- 炎:炎症の意味します。今回の場合は摩擦による影響です。
とこのようになります。腸脛靭帯は骨盤~脛にかけて膝の動きを安定させるバンドのようなもので、その靭帯が摩擦によって炎症を起こすものを指します。
痛みが起こる場所と原因を知る
次に炎症が起こりやすい部位ですが、そのほとんどが上記の写真の赤くなっている部分です。膝の外側、膝の皿よりもさらに外側に位置します。
ちょうどこの赤くなっているところは、骨のふくらみ(大腿骨外顆)があり、そのふくらみと腸脛靭帯が擦れて炎症を起こします。原因としては滑膜だったり、靭帯だったりすることもありますが、ひとまず置いておきます。
よくオーバーユーズ(使いすぎ)で起こりますと、腸脛靭帯炎の原因が書かれてることがありますが、摩擦が起きすぎて炎症してしまうからです。
摩擦の原因を知る
では普段から摩擦が起きているのかというとそうではありません。正直、ゆずも登山をはじめた23歳で人生初の腸脛靭帯炎になったわけですから。23年と、たかが1日の4時間、5時間の運動では負担の比較になりませんよね?
この摩擦が起きている原因が人それぞれになるので、治療内容にも合う合わないがあったり、苦労されている人が多いのではないかと思います。
- 身体がねじれているので、ねじれた分靭帯が引っ張られている。だから骨のふくらみ(大腿骨外顆)に擦れやすい。
- 膝周りの筋力が弱くなってきた。本来膝の安定にも関わっている筋力が弱くなると、靭帯で支える仕事量が増えて、擦れてくる。
- 靭帯の周りの筋肉が固くて、靭帯の動ける範囲を制限してしまう。なので擦れてくる
などなど、このような理由もあります。
擦れてくるのは結果であり、何故擦れてくるのかを知らないといけません。
極端な話にしてしまうと、筋力が弱くなっているのが問題なのに、身体のゆがみだけを治しても根本的な原因解決にならない可能性があるのです。やるとすれば、ゆがみを治した上で登山に耐えられるだけの筋力をつけるべきでしょう。
腸脛靭帯炎が起こる具体例で考えてみる
腸脛靭帯炎や炎症してしまう原因はしっくり来たでしょうか?実際に例を交えつつ考えてみましょう。
身体のゆがみ、ねじれから来る摩擦
この腸脛靭帯は先ほども話したように『腸:骨盤』『脛:膝下あたりのすね』を結んでいます。ここで腸脛靭帯は100㎝しかない紐だと思ってください。
例えば骨盤が片方だけ上がっている、もしくはねじれている場合、最短距離を結んでいる100㎝の紐の位置がずれてきませんか?
同じように膝下の骨がさらに内またにねじれてしまったり、内反膝のように膝が外に開いていけば、紐の位置はふくらみに干渉しやすくなってきませんか?
これまた誤解の無いようにお話ししますが、内反膝の人やねじれがある人が必ず腸脛靭帯炎になるという訳ではありません。負担を増やす可能性の1つとして考えてください。
仮にこれが原因なら、ゆがみを治すような治療法を選択していくのが合っている可能性があります。
筋力低下による摩擦
今度はねじれとは別の原因として、筋力に着目してみようと思います。筋力とは一瞬に持ち上げる力だけではなく、連続した運動をずっと繰り返しても身体がブレないようにする持久力の要素もあります。
例えば100㎏の重りを軽々しく持つ筋肉ムキムキの人が、必ずフルマラソンに出れるかは、ちょっと違いそうじゃありませんか?なので登山みたく数時間下り続けるなんてことはほぼ日常生活で無いですから、筋力が付いて来ないんですよ
登山の下りをそこまでやったことが無い人が、いきなり4時間とか下ったりすると筋肉は限界を迎えて膝の安定性が悪くなります。それを補助する腸脛靭帯に仕事がどんどん舞い込んできて、過労する感じですね。
ちなみに細かいことをいうと、お尻周りの筋肉(中殿筋、大殿筋、大腿筋膜張筋)と腸脛靭帯は握手をするように繋がっているので、お尻周りの筋力も弱いと握手している腸脛靭帯にもしわ寄せが来ます。
そのため筋力低下が原因とするなら、長時間の下りも耐えられるようにお尻や膝周りの筋力トレーニングをしていくと改善する可能性があります。
関節や筋肉の固さによる摩擦
もう一度、このイラストに登場していただきますが、腸脛靭帯の周りには密集するように筋肉が隣り合わせで存在します。それぞれが隣の筋肉の仕事を邪魔しないように、自分のテリトリーを守って仕事をしています。
それが関節が固い人、筋肉が固い人などは隣の筋肉の働きの足を引っ張りして、全体的に効率が落ちてしまうと想像してください。とくに先ほど紹介したお尻周りの筋肉(大殿筋・中殿筋・大腿筋膜張筋)は腸脛靭帯と密接に繋がっているので、この筋肉たちの固さは腸脛靭帯にも影響を及ぼしやすいです。
仮に固さが原因で腸脛靭帯の仕事を制限している場合だと、ストレッチやマッサージなどが効果的になりますね。
ゆずがなってきた腸脛靭帯炎の例
実際にゆずが痛みに悶絶してきた例を書いていきましょう。
- 2015年。登山で初めての標高差1000mの下り中。残り1/3ぐらいで。
- 2017年。はじめて凍った登山道で軽アイゼンを装着して、下りはじめて30分ぐらいで。
- 2021年。コロナであまり長い時間歩く登山を行っていない時、久しぶりの標高差1500mの下りを降りて3/5ぐらいで。
特にこれらの3例が特に悶絶した時期ですね。後ほど詳しくは書きますが、基本は下りで痛みが発生しやすく、どれも痛みはじめてきているのにまだ下りの1/2~1/3程度の距離を降りないといけない状態です。
①登山で初めての標高差1000mの下り中。残り1/3ぐらいで。
登山を趣味にして、初めて1000mぐらいを1日で下った時に痛みが発生しました。痛みが出ているのにまだ1/3の距離を下らなければいけない地獄。段差を下るたびに、初めて感じる痛みに自分の膝はどうなってしまったのか不安を覚えたほどです。
そして下り終わっても、帰りの電車で座ったり、立ったりするたびに痛い。駅の階段を上り下りするだけで痛いのはつらかった。特に驚いたのは、4~5日ぐらいは日常生活の階段昇降でも痛みが出るほど長引いたことです。
この時は月1ぐらいしか登山に行ってなかったのと、行く山も低山が多かったので再度痛みがぶり返すことは無かったですね。
②初めて凍った登山道で軽アイゼンを装着して、下りはじめて30分ぐらいで。
その2年後の両神山日帰り中で腸脛靭帯炎になりました。両神山自体はコースタイム6時間で、標高差は1100m程度なので一番最初に痛みを経験した山よりも難易度は高いです。ただこの時には登山にどっぷりハマって、アルプスにも行けるぐらいまで筋力・体力ともに付いているので、特別難易度としては高すぎる場所では無かったです。
大きなイベントとしては、登山道の何箇所か凍結しており軽アイゼンをはじめて使ったことでしょうかね。そしてまた安いものを買ってしまった天罰でしょうか、アイゼンのベルトが壊れてしまい、予備の靴ひもを巻いて歩く始末。
初めてのアイゼン歩行と、片方のアイゼンが満足に機能しないことによる恐怖もあり、姿勢が悪かった・壊れたアイゼン側の足をかばいながら降りたからでしょうか…。残り2時間以上もあるのに、膝が痛みだすのに下らなければいけない地獄。
これも登山後1週間ぐらい日常生活の階段でも痛みが残りました。そしてこの時は登山にかなり登り出していた時期でもあり、この両神山後からの経過をまとめます。
2週間後 天城山 | 2時間30分ぐらいで痛み(+) |
3週間後 三毳山 | 2~3時間程度の低山でも、残り1時間で痛み(+) |
4週間後 高尾山 | 山頂についたぐらいで痛み(+)、下りはリフトで帰る |
6週間後 青梅丘陵 | 違和感は感じるものの、痛みまでは発展せず |
7週間後 外秩父七峰縦走 | コースタイム8時間ぐらいのところでリタイア。痛み(+) |
11週目 塔ノ岳 | 痛み無し |
今でも記憶しているぐらい、痛みなく登山に登れるようになるまで3か月ぐらいかかりました。
反省としては、すぐに登山を再開しており痛みながら下ることで負担をかけ続けたことや、間隔が狭い時や行動時間が長いものがあったことでしょうか。高尾山から青梅丘陵辺りで、後述するマッサージや筋トレ、キネシオロジーテープ、歩き方など工夫して改善していきました。
③コロナであまり長い登山を行っていない時、久しぶりの標高差1500mの下りを降りて3/5ぐらいで
次に2021年の最近の出来事です。乗鞍岳から平湯まで長い降りがあるのですが、そこで久しぶりに地獄を見ました。痛み出してから、まだ1000m下らないといけない事実に、腸脛靭帯炎の痛みを思い出して戦慄しました。
②の最後に痛み出してから5年ぐらい経っており、7~8時間ぐらいの行程時間を3日連続で行ったり、テント泊の重い荷物を持って登山をしたりと、痛みなく経過していたので油断していました。自己分析ですが、コロナで登山に行く機会が減った結果筋力が落ちて、久しぶりの標高差1500mの負担が大きすぎたから、だと思っています。
これに関しても、日常生活で痛みが取れるまで5日ほどかかりましたね。②で反省したように、再開するのは時間を空けて、痛みを確かめるように再開は軽い山にした結果、4週間後の登山では痛みは無くなっており、この記事を書いているときも痛みなく登山には行けています。
ゆずの例の原因をまとめる
『はじめての長い下り』『はじめての慣れないアイゼン歩行や故障をかばう歩き方』『久しぶりの長い下り』と痛みの原因は、身体に合わない・慣れていない動きをした結果、筋力で支えられずに靭帯への負担が増えたり、ねじれや片足をかばったことで靭帯に負担が集中したからであると自己解釈しています。
自分の筋力よりもハードな行程にしてしまったのが、反省点ですね。
治療法
色々と原因を考えてきましたが、正直これらが複合して起きていることが多いので、自分に合ったものを探していく必要があります。この辺は仮説の話になってしまうので、ゆずが足掻いて試したものを紹介しますので、参考にしてください。
また文献によっては、腸脛靭帯下にある滑膜、滑液包という部分の炎症とするものもあったり、何とも明確されにくいのです。
炎症に対して適切な処置・対応をする
長時間の膝の屈伸で摩擦が生じているので、その部分には相当のストレスがかかっているはずで、基本的には炎症ですので、炎症が治まるのを待つのが一般的です。あとはどれだけ負担がかかって炎症をしているか、でしょうか。
痛くなって3時間耐えて降った | 1週間は痛かった |
残り10分ぐらいで膝が痛くなってきた | 次の日には痛くなかった |
ゆずの経験談でもこのぐらい違いはあります。単純に摩擦を起こす時間が長くなればなるほど、その部位の炎症具合は増悪します。痛みの長引き方のムラはこの辺が関与している印象です。
市販のものでこれらに対応できるものとしては『アイシング』『消炎鎮痛剤(錠剤・湿布など)』『安静』などですね。ゆずとしては安静・消炎鎮痛剤の使用が無難だと思います。
消炎鎮痛剤は痛み止めの錠剤と、テープタイプの湿布がありますね。基本痛みを抑えているだけで、根本的な炎症部位を治しているわけではありませんが、一時的な痛みを取ることは大事だと思います。帰宅するまでの除痛、日常生活で痛みを抑えたいときには必要です。
安静に関しては、ゆずの『②はじめて凍った登山道で軽アイゼンを装着して、下りはじめて30分ぐらいで痛みだした』時を見ると、痛み出したその後も1週刻みに登山に行っては痛むを繰り返していますよね。
日常生活で痛くない ⇒ もういいでしょ? ⇒ 登山では痛い ⇒ もういいでしょ? ⇒ やっぱり痛い
と繰り返すので、ストレスも溜まりますし、十分に楽しめません。一度しっかりと痛みをひかせるために休息をする、もしくは登山に行くときは時間を調節して痛みが出ない範囲からスタートしていくのが、ゆずとしては正解かと思います。何だかんだでこの点が一番大事な部分かなと思います。
マッサージ、筋トレをする
次によく言われている治療法としてはマッサージ、ストレッチや筋トレ。正直これがまた奥が深いなと思うところでして、まず腸脛靭帯炎になったあとに、腸脛靭帯とかその周囲の固くなっている筋肉をほぐしてもらったのですが、やっぱり改善は少しなんです。マッサージしてもらうと歩いて痛みは無くなったけど階段は無理みたいな感じですし、そもそも炎症をしているので、安静にするしかないんです。
これは筋トレも同じだと思います。例えば『大腿四頭筋の筋力不足で腸脛靭帯炎になる』と書いているインターネット記事を見つけて、腸脛靭帯炎になった直後の人が頑張って治そうと大四頭筋トレーニングをガンガンすれば、ある意味、傷に塩を塗るようなものです。
治っていないカサブタを取るとまた出血してくるように、腸脛靭帯炎になった直後は炎症を引かせることと優先して、積極的な介入は避けるべきかと。かといって腸脛靭帯炎になった原因としては、先述したように体の固さや筋力不足によるものなので、痛みが出ない範囲での運動やマッサージは徐々に増やして継続していくべきですね。
- 腸脛靭帯炎になった直後は、まず安静にして痛みを引かせる
- 炎症が引いてきたら、痛みが出ない範囲で筋トレを増やす
- 再発しないように継続的に股関節・膝関節の固さや筋力の弱さを改善していく
このように進めていくのがいいかと。
マッサージは腸脛靭帯はもちろん、密接な関係のある大殿筋や中殿筋、大腿筋膜張筋、外側広筋などが有効。
筋トレに関しては、身体がブレないようにすることが大切なので、股関節を伸ばす大殿筋、股関節の左右の崩れを減らす中殿筋、膝を伸ばす筋肉の代表格である大腿四頭筋(大腿直筋・内側広筋、外側広筋、中間広筋)が有効だと思います。スクワットは万能だと思います。
タイツを履く・インソールをする
痛みを治したい一心でタイツをする、インソールを入れることも試しました。疲労感の軽減には効くのかもしれませんが、あくまで補助的なイメージかと。タイツはずれてくるので、まだインソールの方が効果は高い印象です。5000円~10000円程度と導入コストは高めです。
使っているインソールです。
ストックを使う
今度は足にかかる負担をストックを使うことで、手に分散しようとストックを持って行くことにしました。こちらも良い手ではありますが、あくまで筋力などは上がりません。長時間の負担は確実に減りますが、根本的な改善には繋がりませんでした。
それにストックを持って行くと、荷物が重くはなるのでその点も考える部分かと思います。ゆずとしてはカメラ撮影も多いので、ストックは持って行きますが毎度使うことは少ないので、基本は保険です。出来る限り軽いものを選んでいます。
みなさん、こんにちはゆずです。 次第に登山を再開を考えていて、登山服や登山ギアなどを新調していきたい時期。今回新調したのは、トレッキングポール。 ブラックダイヤモンド社のディスタンス カーボン Zです。三つ折りになる折り畳みタイプであり[…]
登り・降り方、荷物の量を改める
あとはランニングフォームを治すような意味合いで、登山行動中を歩き方を見直します。不安定な場所に足を着いたり、登るときに片側のみ良く使ったり、ドスドスを勢いを付けたりするのは、足の負担を高めます。
また荷物を持って行動するので、根本的に荷物を軽くすれば足への負担も減っていきます。
小さなことですが、小さな負担が蓄積して炎症に繋がることもあるので、登り方・降り方や荷物の量を見直しましょう。
キネシオロジーテープを使う
皆さんはキネシオロジーテープをご存じでしょうか?一般的なテーピングは伸び縮みのしないテープで固定を主に使われます。一方でキネシオロジーテープは、テーピングのような形をしているのですが、わずかに伸縮性があるので、ほんのり固定・運動を誘導するように出来ているテープです。
①筋肉の機能を正しくもどす
②血液・リンパ液の循環を良くする
③痛みを抑える
④関節のずれを正すキネシオテーピング協会引用
効果としては4つとされており、伸び縮みが筋肉の動きを補助したり、皮膚の下の組織に隙間を作り循環を良くしたりする作用が生まれます。またテープを張ることで、そこに意識が集中するので運動するときに注意が向いたり、皮膚刺激で神経学的に痛みを緩和する能力を活性化させたりします。
ゆず自身が出来る中で一番効果を感じたのはキネシオロジーテープです。
メリット
- 皮膚に貼るので、タイツのようにずれない
- タイツは万人向け。キネシオロジーテープは、テープの貼り方や枚数次第で症状に合う対応が出来る(膝の外側が弱いと感じれば、外側の補助を強くする貼り方をするなど)
- 自分のどの部分が弱いか、意識を向けることが出来る
- 消耗品なのでコストはかかるが、1ロール1000円以内なのでお試ししやすい
デメリット
- カットや貼るのが面倒くさい
- 肌に貼るので、皮膚トラブルになる人もいる
- 人によっては見栄えを気にする
このような特徴があります。やはり導入コストが低いのがオススメしやすいポイントで、タイツのように平均的に補助するのではなく、自分に特化した補助を手厚く出来るのが良いです。ただ皮膚に貼るので、皮膚かぶれなども人によってはあるかと思いますが、ゆずはアトピー持ちですが、粘着性の弱いテープもあるのでクリアして使えています。
↓まずまずの粘着力で使えたもの(ゆずはコスパもふくめてこれ)
↓粘着力弱めの肌弱い人向けとされていたもの
↓元々カットされているので、張りやすいもの(はじめはこれ使っていたけど、コストが高めで変更)
貼り方は色々とありますが、ゆずの場合は膝周りの安定性向上と筋肉の補助という名目でこのような貼り方をしています。軽い登山の場合は、お皿を被せないように左右で補助する程度ですね。
キネシオロジーテープを貼って登山に何度か行くと筋肉自体の補助と痛みの緩和で、腸脛靭帯に負担を減らしつつ行動する時間が増えました。また行動時間が増えるので、登山で筋肉を使う回数や時間も増えるので純粋に登山で使う筋肉もついていきます。キネシオロジーテープを張れば、炎症が完治するものでは無いのでご注意ください。
理学療法士が運営する整体院に通う 2023.8 追記
キネシオテーピングが自分で出来る最適だと、2023年8月の時点でも思っています。ただ自分だけで自分の身体を理解するのが難しい方もいると思います。
そんな方には理学療法士が経営している整体院に通い、自分の身体の弱い部分を一緒に強くしていくことをオススメします。
実際にゆずは理学療法士をしているので、自分の身体のことは分かっているつもりではありますが、やはり自分自身の身体を客観的に診てもらうのは違うと感じます。自分と付き合いのある理学療法士が運営する整体院に通う機会があったので、経験してみないと何も言えないので、月1ペースで3ヶ月ほど通ってみました。
大きな悩みとしては3つ
- ザックを背負うと肩が痛い
- ザックを背負うを腰を反ってしまい、腰が痛くなる
- 下りで膝を痛めやすい(今回の記事の悩み)
登山を続けていくためにこれらの悩みを相談し、自分の身体で苦手なところを話し合いました。右左の足の硬さの違い、腰をひねりにくいのは右左どちらか、右膝の症状が出やすいのは何故かのカウンセリング、自分で行うストレッチやマッサージといったセルフケアの獲得、弱い筋肉を動かしていくための筋力トレーニングを指導してもらいました。
5月から毎月1回通って、背中・お腹のバランス良くなってきたね、弱かった右足のふんばりでもフラつきが減ったね、筋肉凝ってきたらマッサージ・ストレッチが出来るようになったね、と変化点も共有出来るので知識が少ない方でも理解がしやすいです。
登山中の実感としても腰痛が減った、以前なら右膝の痛みが出そうな下りの行程でも出なくなってきた、自分の弱点を改善しようと日常的に意識するようになった、などの自覚もあります。
高性能な道具に頼ることも大事ですけど、結局は自分の身体が全ての軸。決して安い金額ではありませんが、身体を壊さないように通って投資する価値はあると心から思いました。
ゆずの意見としては、筋トレだけのジムよりも、身体の硬さや筋肉の使い方を知ることが出来て満足でした!しっかりと登山を想定して持っている知識の中で相談・カウンセリングを行ってくれるので、引き続き月1ペースで進めていこうと思います。
※誤解のないように案件ではありません。知り合いでも自費で身体を任せる以上は、しっかりとゆずの中で考えた上でご紹介したいと思って、この記事に載せています!!
膝・腰などの痛みは大田区池上の整体院 からだ塾にご相談ください。理学療法士が痛みの緩和と繰り返さないノウハウで体作りをす…
治療方法のまとめ
第一に炎症の程度を把握し、炎症を再燃させないようにすること
痛くなって行動する時間が多いほど炎症は強くなり、日常生活で感じる痛みも長引きます。なので腸脛靭帯炎になったあとは、しっかりとその炎症を抑えることを優先しましょう。
登っては痛めて、登っては痛めてだと長引いてしまいますよ。
第二に筋トレやマッサージは大事だけど、徐々に負荷を高めて継続的に
登山という長時間の運動で腸脛靭帯炎になったわけなので、過度な筋トレで負傷しているのと同じです。なので基本は第一の炎症が落ち着いた時期から運動を徐々にしていきます。
極端な話、4時間の降りが耐えられなかったら、4時間の降りを耐えられるだけの筋力をつけるまでです。まずは30分、次に1時間と徐々に増やしていきましょう。同時に身体を柔らかく保つと体を動かす範囲が拡大したり、循環も良くなるので運動する下準備としても重要です。股関節~ふともも~膝関節辺りの筋肉に着目するといいでしょう。
第三に実際に登山を再開。痛みが出ない範囲での登山から徐々に伸ばしていき、同時に登山をサポートする道具に頼る(キネシオロジーテープetc)
徐々に運動出来るようになり、再開に向けて運動やマッサージで筋肉を整えてきたので、いざ本番です。先述した通り、登山は日常生活では考えらないほど坂道や段差を登ったり・降りたりするので負荷は高いのです。
一応負荷に耐えられる身体作りをしてきましたが、おそらく腸脛靭帯炎になった同負荷の登山はまだ耐えられません。歯がゆいですが、徐々に痛みをみつつ活動時間を増やしていきましょう。
同時に本番でも筋肉が動きやすい、疲労しにくいように道具で登山をサポート出来ればより環境は整います。なのでキネシオロジーテープを貼って、筋肉の機能と関節のずれを修正し、血液・リンパ液の循環を良くし、痛みを緩和する能力を活性化させる効果にあやかりましょう。
他にもタイツやストック、インソールなどの補助道具がありますが、コストや導入のしやすさや、ゆず本人の経験談としてまずはキネシオロジーテープをおすすめしたいです。一応、インソール、ストック、タイツの順番でおすすめです。
第四に専門家(理学療法士が運営する整体院)で自分の身体をしっかりと理解し、自分自身の身体を強くしていくことに投資する
第一~三までの内容は、自分自身で判断することです。それも行うことは大切ですが、専門家と一緒に身体を強くして、再開していくのも良い選択肢です。自分の身体を客観的に診てもらい、自分自身の硬い筋肉、弱い筋肉を知ることが大切です。
弱い部分を道具で補うのでなく、弱い部分を強くした上で道具を使えばさらに最強です!!
さいごに
長々となってしまいましたが今回は登山で腸脛靭帯炎になり、何とか登山を再開するのに紛争した様子を、仕事の知識を交えながら紹介しました。
正直、説明文が長くなっているかと思いますが、ゆずとしては改善案だけではなく自分自身がどの部分が問題で腸脛靭帯炎に繋がったかを見直してほしいのです。なので今後の長い登山生活を楽しめるように、身体を鍛えたり、柔軟性を維持したりと変化することを意識してくれると嬉しいです。
とくに近年はコロナ関係で、外出する機会が減ったことで登山自体にも行く回数が減っている方も多いでしょう。そんな方の急な登山再開は腸脛靭帯炎に繋がる可能性もあるので、普段から意識してみてください。
今回の記事が腸脛靭帯炎に悩まれている方の改善や、知識の糧になれば幸いです。
それでは皆さん、腸脛靭帯炎に悩まされない良い山旅を!