皆さんこんにちは、ゆずです。
みなさんは思い出に残る山旅ありますか?山自体の山容の美しさもありますが、その時のメンバーや天気、時期によって印象は違ってくると思います。
今回はアルプスを少し背伸びして行きたい、と言っていたメンバーと夏に登った爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳。疲れはしたけど行って良かったと言ってもらえた、また1つ思い出に残る山です。
今回は、登山口から爺ヶ岳を経由して宿泊地の冷池山荘までの道のりを紹介していきます。
2019年8月に行っている記録なので、現状の予約状況や小屋の対応などは必ず確認してから行くようにお願いします。
- 公共交通機関のみでアクセス可
- 扇沢までは夜行バスで直接行けて、長野駅から特急バス、信濃大町駅から路線バスで行ける
- 一番安いのは夜行バス、早いけど高いのは新幹線
- 柏原新道から登るコースは山小屋が2つあるので、体力にあわせて1~2泊など日程を調整しやすい
- 登山口から冷池山荘は標高差1000m以上の登り、一部ガレ場のトラバース道があるので注意
- トイレは山小屋に2個。途中にもあるので非常に良い
山行の概要
日時:2019年8月18-19日
メンバー構成:3人パーティー
コースタイム:1日目は扇沢⇒爺ヶ岳⇒冷池山荘【約6時間】 実際には7時間ほど。
私のペースは大体、写真撮って休憩入れて、コースタイムのちょうど~少し遅いぐらい。ですが、今回はあまり高い山に慣れていないメンバーなので、みんなでゆっくりと行きました。
ルート紹介
1日目は扇沢から種池山荘、爺ヶ岳を経由して冷池山荘にいくルートです。登山口から稜線に建っている種池山荘までは『柏原新道(かしわばらしんどう)』を通ります。
ここの標高差が約1000mと手強いながらも、歩きやすい道ではあるのでゆっくりと進めば大丈夫です。稜線上には種池山荘と冷池山荘の2つの山小屋があり、ゆずの様に1泊でも良いですし、種池山荘に泊まって2泊堪能しても良いと思います。
山としても日本百名山『鹿島槍ヶ岳』、日本三百名山『爺ヶ岳』という有名どころで満足すること間違いなし。
危険なコースも少なめで、体力に合わせて1泊~2泊の調整のしやすさ、山の美しさ、交通アクセスの良さがこのルートの特徴です。
公共交通でのアクセス【都内起点】
扇沢バス停まで
①電車+バス【特急あずさor新幹線】
新宿 ⇒ 信濃大町 特急あずさ+在来線
信濃大町バス停 ⇒ 扇沢バス停 |
時間:3時間~3時間半 金額:7390円(指定席 松本まで2550円)
時間:40分 金額:1390円 合計:8780円 |
東京 ⇒ 長野 新幹線
長野バス停 ⇒ 扇沢バス停(特急) |
時間:1時間20分 金額:8340円(指定席 4270円)
時間:1時間45分 金額:3510円 合計:11850円 |
②夜行バス
新宿 ⇒ 扇沢バス停
さわやか信州号 4列シート |
時間:6時間 金額:6700円
23時ぐらい発 ⇒ 5時30分着 |
電車の場合、新幹線は早くて、高いです。ただ長野-扇沢を結ぶ特急バスの便が少ないのが難点。どちらも帰路で使うことが多いですね。
ゆずの場合は、行きはほぼ夜行バスを利用します。早朝から活動できるので、目的である冷池山荘まで歩くのに余裕が出来ます。当然、夜行バスが苦手な方もいると思いますので、扇沢に行くバス路線沿いの宿に前泊することも手ですね。
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山行の金額
料金(都内起点)
新宿 ⇒ 扇沢バス停(夜行バス)
さわやか信州号 4列シート |
6700円 |
冷池山荘 1泊2食 | 9700円(石井スポーツ会員カードで500円引き可) |
扇沢バス停(特急) ⇒ 長野バス停 | 3510円 |
長野駅 ⇒ 東京 新幹線 | 5740円(トクだ値30%適応料金) |
合計 | 25150円【石井スポーツ割引済】 |
旅費は約25000円ですね。これでも出来る限り安くしようとしたのですが、流石は富山・長野県境。究極に安くするなら、青春18きっぷで往復でしょうが、まあ実用的ではないですね。
お隣の立山よりはアルペンルート使わないので安く済みます。あとは安くするとして愛用している『えきねっと トクだ値』ですね。今回も30%割引というかなり恩恵を受けられました。
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今回の撮影機材
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M1 紹介記事ははこちら |
レンズ | M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO 紹介記事はこちら |
設定 |
|
2019年なので初代E-M1です。超広角レンズである『M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6』は軽量化のため省略。
同行者が頭痛などの心配があったので、万が一でも荷物を持てるように大型ザック+軽量化していきました。
縦走の山行記録
※注意
この山行記録は参考にする程度にとどめて、必ず登山地図を持参してください!
国土地位院はスマホアプリで、紙は山と高原地図を持って行きます。
トイレ情報
- 扇沢駅
- 種池山荘
- 冷池山荘
トイレは3つ。歩き始め、途中に2か所とトイレ問題は少なめです。山小屋では比較的綺麗なトイレでした。
- トイレの写真 ※クリックで開きます
-
こちらが扇沢のトイレ。一般的な水洗トイレで清潔さ、臭いなどの問題はありません。
こちらが種池山荘のトイレで汲み取り式タイプの様でした。清潔感はありましたが、やや臭いあり。
冷池山荘のトイレは簡易水洗式で洋式の個室もあります。造り自体も綺麗であり、種池山荘よりも一手上を行きます。臭いもありますが、かなり少ない方だと思います。
新宿から扇沢まで
扇沢行きのさわやか信州号の出発地点は新宿では珍しく、バスタ新宿では無いのでご注意ください。新宿西口ヨドバシカメラの近くですね。
バスタ新宿と違って近くにはトイレがありません。また深夜での出発になるので、近くのお店も閉まっていたり、コンビニでもトイレを貸していない場所も多いです。
ゆずは夜食にマクドナルドを食べて、そこにギリギリまでいてトイレに入って向かいました。
4列シートの一般的なバスです。コンセントも付いていて、標準的な設備が整っています。
途中サービスエリアでの休憩も挟みつつ、今回の起点である『扇沢』に到着です。
ここ扇沢は今回行く鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰の他にも、立山や針ノ木岳・蓮華岳といった北・南・西側のすべての山にアクセスできる素晴らしい起点です。
最寄りの信濃大町駅からバスで30分程度と好アクセス。
素晴らしい青空で、期待度が高まります!せっかく山に来たのだから、天気が良い方が良いですよね。今回は山をもっと好きになってほしいメンバーを連れてきているので、良い思い出を持って帰ってほしいですし。
扇沢バス停から登山口まで
扇沢から登山口までは、車道を徒歩11分ほど歩きます。
車道を歩くと、大きな川を渡ります。ここを超えれば登山道はすぐそこ。
こちらが柏原新道入口。鹿島槍ヶ岳まで行けますが、爺ヶ岳登山口と書かれています。
ここで登山届を出して、いざ入山!!
1日目の正念場。柏原新道1000mの登り
登山口からはただ登っていきます。木漏れ日が差す樹林帯の道を進みます。
夏ではありますが、まだ早朝のため気温も含めて登りやすい。気温が上がりきっていない早朝に登りを出来るだけ終えていると、体力も温存できます。
薄っすらと信濃大町方面も見えます。
登山道の脇に咲いている花も見つつ、登る。花はまだ勉強中です。
ここ柏原新道は『1合目』のような目印になる看板がたくさんあります。まずは1つ目である『八ツ見ベンチ』。
八ツ見ベンチからは早朝に到着した扇沢駅が見えます。だいぶ登りましたね~。車もたくさん泊まっています。
八ツ見ベンチからは少し崖の上をトラバースします。といってもそこまで危険ではありませんが、滑落などは十分にご注意を。
ここのケルンが山と高原地図にある分かりやすい目印。
このあたりまで来ると正面には種池山荘から新越山荘までの美しい稜線が見えてきます。この景色だけでもアルプスっぽくて良いですよね!
ちょっと見にくいですが、次の目印である駅見岬。文字通り、扇沢の駅を見ることが出来る場所です。こう見ると、扇沢の駅が山の中にポツンと建っていることが分かります。
ホントにありがたい建物ですよ。
ちょうど稜線の真ん中を見ると、小屋が建っているのが分かります。まだまだ先ではありますが、稜線上に建っている小屋『種池山荘』です。
見えた嬉しさ半面、あそこまで登ることになるのか…という絶望感も味わうことが出来ます。ま、そんな絶望感も行ってみたら全て吹き飛ぶんですけどね!
次は『一枚岩』。1つの岩盤の上を歩いていきます。
1枚の岩が終わったら、今度は石の畳です。少しの看板ではありますが、このように看板がいたるところにあるのは、助かります。
新しいものに変わったり、地元の小学校などが作成した看板なんかも低山にはあったりして、看板を見たりするのが好きだったりします。
ここ水平道は1つ息を整えるところ。ここまではずっと登りですが、標高2200m辺りで等高線に沿って進むトラバース道です。
この石ベンチ辺りまでは登りは穏やか。地図でいうと『2218m』と表記されている部分に石ベンチがあります。そしてここからまた登りがはじまります。
名前の通り、アザミが多く咲いている『アザミ沢』を超える。
また見にくくてすみません…。ここは黄金岬。この黄金岬の先に崖を横切るガレ場のトラバース道に続きます。
ここから先のガレ場のトラバース道が、柏原新道で一番危険なところでしょうか。種池支配人、大町警察は警鐘を鳴らすほどですが、気を付けて進めば大丈夫。
ガレ場だか、ガラ場だか、岩がゴロゴロしているところを行きます。
このようなトラバース道です。
この道が怖い所としては『上からの落石』『落ちたら崖の下』『道が狭いのですれ違いが大変』『小さな石が多いので滑りやすかったり、足場が安定しない』点でしょうか。
特にここの爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳はアクセスも良いこと、日本百名山ブランド力もあって人が多いです。今回も日曜日・月曜日と土日を少しずらして行きましたが、それなりに人が居たのですれ違いは特に注意です。
上に動物が居たら、落石もあるようなので慎重に素早く通り抜けましょう。
岩場を超えた先にある花たちに癒されます。この2つは覚えました!
後ろを振り向くと先ほどのガレ場の様子。下が崖なのが良く分かります。
ガレ場を超えると標高を上げ直します。富士見坂を登りますが、富士山は見えませんでした。見えるのかな??
う~む、何の花でしょか
柏原新道の最後の看板『鉄砲坂』。ここまで来ると、種池山荘まであと少し。
稜線も近づいてきて、視界も見上げるものではなくなってきました。
高山植物で大好きなチングルマのおじいちゃんモード。
こちらも有名な高山植物のハクサンフウロ。ハクサンって名前が付く植物多いですよね。
約4時間の登りの末、稜線上に建つ種池山荘に到着しました。
種池山荘
立派な建物の種池山荘。昔は木造だったこともあるようですが、今は鉄筋の山小屋。木造の時は雪や強風に悩まされていたようですね。
トイレをお借りします。手間ですが一度玄関で靴を脱いで中に入ります。
トイレの前には更衣室。山小屋という限られた空間の中で、更衣室があるのは女性には良いですよね。男性はあまり気にならないと思いますが、男の着替えを見せられる方はいい気分はしないので、あるのは良いと思います。
稜線上の水はとても貴重。大切に使いましょう。
ここ種池山荘の名物は焼き立てピザ!
1枚1000円ですが、とても美味しいと評判ですし、山の上でピザが食べられるも良いですよね。ただ焼きあがるのを順番に待つ必要があるので、ゆず達は臭いだけを堪能しました。
『爺ヶ岳』の頂へ
トイレ+小休止を経て、冷池山荘に向かいます。まず向かうのは日本三百名山『爺ヶ岳』。
チングルマおじいちゃんの群落!!
歩いてきた稜線を振り返ると先ほどの種池山荘が建っています。ホントによくこんな過酷な稜線上に建ててくれましたよね…。
明日登る予定の鹿島槍ヶ岳は雲の中…。
これから登る爺ヶ岳も雲の中…。晴れてくれ!!
などど話していたら、雲が取れてきます。
近づいていくと徐々に青空復活!まずは右側にある『爺ヶ岳南峰』に登ります。
爺ヶ岳の先には冷池山荘が見えます。後ほど行きますが、近そうで意外と遠かった…。
右から南峰、中峰、北峰と並ぶ爺ヶ岳。
爺ヶ岳&おじいちゃんの競演。おじいちゃんコラボです。
爺ヶ岳南峰到着!!
この後立山連峰はこの黄色の看板が多いんですよね。以前、唐松岳や五竜岳の看板もこの色と形でした。同じ方が作ってくれたんでしょうか。
本日の宿、冷池山荘まで
ちなみに南峰・中峰は山頂を巻いて進むことも出来ます。時間に押している場合は、それも選択肢。そんなゆず達も思っていたよりもコースタイムが押したのと、同行者の体調を見て中峰は巻くことにしました。
南峰から中峰は一度下って、登り直し。そしてまた雲が出てきます。
南峰・中峰の鞍部には高山植物の女王『コマクサ』
トウヤクリンドウ
中峰が見えてきました。
分岐になりますが、先ほどの言ったように本日は巻きます。ちょうど雲も増えてきたので明日に行くことにしました。
お分かりでしょうか…。ハイマツの中に顔が映っています…!
グエ~、と見た目に反してカエルの様な鳴き声をする『ライチョウ』が顔を出しています。ここ爺ヶ岳は比較的ライチョウが目撃されるようで、山と高原地図にもライチョウが多いことが書かれています。
こうゆう時に持っている12-40mmのレンズだと遠くまで撮れないので、望遠側が撮れるレンズが欲しくなるんですよね!
この記事を書いている二週間前ぐらいに買っちゃいましたが…!
爺さん、また明日来るよ!
爺さんの北峰には登れませんので、あとは冷池山荘を目指すのみです。
鹿島槍ヶ岳左下の何とも険しいところに建つ冷池山荘です。それにしても鹿島槍ヶ岳の山肌がいかついですね。痺れます!
ちなみに山荘の上に地面がはげている場所がありますが、あそこがテント場。結構小屋まで歩きます。
東を見ると麓のスキー場が見えます。スキー場があんなに下にあるのが不思議ですよね。あとこの後立山連峰は意外と街や鉄道などの活動する場所と近いんですよね。
山奥過ぎないこの場所は、山を楽しむ方にとっては素晴らしい環境だと思います。1泊2日の選択肢も多いですし、起点・終点のコースも設定も柔軟に行えます。
この石がゴロゴロしている先が地図でいう『冷乗越』。山荘までは一度下ったのち、登り返したらゴールです。
『冷乗越』です。もうひと踏ん張り!!
先ほど見えませんでしたが、小屋の横は崖…!同じことを言うことになりますが、ここに小屋を建ててもらってホントに感謝しかありません。
ちょっとした樹林帯を通ったらすぐに小屋です。お疲れ様でした、本日の山小屋『冷池山荘』に到着です。
看板も良いですね~。冷たさを青で表現しているのでしょうか?鉄筋構造の丈夫な山小屋です。山小屋に関してはまた別の時に詳しく紹介していこうと思います。
そして1日目の行程はこれで終了。夜行バスからの7時間行動+標高1000m上げは大変だったと思いますが、同行したメンバーはナイスファイトでした!
次回の2日目は鹿島槍ヶ岳を登頂していきます!
さいごに
まずは登りの多い1日目でした。柏原新道はガレ場のトラバース道以外は危険な個所は少なく、途中の山小屋もあり、人もいるので環境的には恵まれています。
特に爺ヶ岳は南峰までなら種池山荘から1時間程度で登れてしまう素晴らしい立地。稜線に上がるまでの登りは大変ではありますが、ある程度登りもあってステップアップしていきたい方にはオススメ。
それこそ種池山荘に宿泊して爺ヶ岳で日の出や日の入りを見たり、まったりと写真撮影なんていうのも良いと思います。柏原新道から稜線に上がってしまえば、絶景の連続なので仮に鹿島槍ヶ岳に登れなくても十分に満足できると思います。
ゆず個人としては、鹿島槍ヶ岳のみが良い山ではないと思うので、爺ヶ岳単体での楽しみを選ぶのも1つだと思います。様々な計画を建ててみてください!
それでは皆さん、良い山旅を!