皆さんこんにちは、ゆずです。
北アルプスの中で初心者にもオススメできる山として有名な乗鞍岳。ゆずも最初の頃は乗鞍岳に日帰りで登っています。
ちょうど2021年は山に行ける回数が極端に減ったため、一回一回の山を十分に楽しめるように、日帰りよりは宿泊に重きをおいていました。ただ山小屋に泊まるといっても相部屋よりは、個室があるところに泊まるという自分のルールで選んでいたところ、白羽の矢が立ったのが乗鞍岳。
日帰りで乗鞍岳に登ったことがあるので、個人的にはもう少し歩く範囲を広げたり、別の魅力を開拓したかったところでした。今回も平湯までの縦走路を歩きたかったためです。
宿泊したのは乗鞍白雲荘。小屋の清潔さ・プライベート空間・トイレの綺麗さ・お風呂も入れる素晴らしい小屋。
到着するバス停から徒歩5分もかからないぐらいの立地なので、写真撮影に来る方や山にはじめて宿泊する人にもかなりオススメ出来る山小屋でした!
- 畳平バス停から徒歩5分ほどと好立地!
- 予約は電話のみ可能
- 支払いは当日の現金のみ
- 営業日は6月中旬~10月中旬
- 個室と相部屋があり、差額は1500円ほど
- 水洗トイレ、お風呂もあり、衛生面は山とは思えないほど綺麗!
- 食事は山小屋としては十分ではあるが、一部おかずが足りなかったり、味が薄いと感じる場面もあった(参考までに)
- 500mlペットボトルが何と200円で売っている!
アクセス
乗鞍岳の頂上近くにあるバス停『乗鞍畳平』。長野県側と岐阜県側、二つの県から出るバスに乗ることで行けます。
長野からの場合は夜行バス or 電車 or 路線バスで『新島々』へ移動。路線バスに乗り換えて『乗鞍高原観光センター』。さらに乗り換えて乗鞍エコーラインを通って登山バスで『乗鞍畳平』まで移動します。
※松本から新島々までの電車に関しては、2021年大雨被害により一部代行輸送をバスで行っています。運行予定に関しては要注意!!
岐阜側からは平湯温泉バスターミナルまで移動します。同じ岐阜県側からの高山駅からバスで平湯温泉まで行くか、新宿から高速バスで平湯温泉まで行くことが出来ます。
ゆずは毎回、長野県側からしか入っていません。ただ新宿から平湯バスターミナルまで一本で行くことができるので、関東圏からでも乗り換えの少なさという点では岐阜県側から入るのも良い選択肢になると思います。
乗鞍畳平までバスで行ってしまえば、今回宿泊する乗鞍白雲荘までは徒歩5分圏内と目の前。乗鞍岳に行ってもいいですし、散策にとどめて泊まるだけでもいいと思います。
余談ですが、有名な上高地と平湯は路線バスで一本で行けるので、上高地と乗鞍岳を繋げる場合は、岐阜県側から入ると良いと思います。今回ゆずも下山してからですが、平湯から上高地までバス一本で移動出来たので非常に楽でした。
乗鞍白雲荘の詳細
乗鞍畳平バス停徒歩5分の好立地。バス停近くには銀嶺荘という別の綺麗な山小屋があります。
- 客室数:11室【個室5・相部屋6】
- 収容人数:60名
- 営業期間:2021年は6月19日~10月17日まで(6月中旬から10月中旬が一般的)
- 電話予約のみ
- 空き室などの予約状態はインターネットで確認可能
- 当日、現金決済
- 大浴場付き(男女別)
- 男女別簡易水洗トイレ
などと山小屋の中ではかなりの設備。
館内はのちほど写真でご紹介しますが、水洗トイレや大浴場があるなど衛生的にもかなり綺麗に保たれています。
乗鞍白雲荘の金額
個室
素泊まり | 一泊朝食 | 一泊夕食 | 一泊二食 |
なし | なし | 9900円 | 11000円 |
相部屋
素泊まり | 一泊朝食 | 一泊夕食 | 一泊二食 |
6200円 | 7300円 | 8400円 | 9500円 |
全体的には1000~1500円ほど個室の方が高いですが、この辺りの価値観は人によりますかね。ちなみに近くにある『銀嶺荘』でなく、こちらに選んだ理由の一つは『値段』。個室の一泊二食付きの金額が『白雲荘は11000円』『銀嶺荘は個室2人使用で12100円』なので、その点も大きいです。
個室のクオリティはかなり高いので、プライベート空間を重視する方、今のご時世あまり他者と寝る空間を共有したくない方には、個室を選ぶならとても良い選択肢だと思います。
ちなみに相部屋のベッドはこのような形です。一般的な山小屋に比べると、相部屋のクオリティはかなり良い方。
このご時世でなければ、相部屋を選んでいた可能性もありました。
今回の撮影機材
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ 紹介記事はこちら |
Insta360 ONE X2 紹介記事はこちら | |
レンズ | M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 紹介記事はこちら |
設定 | lightroomでの現像 |
階調自動補正のみ使用 |
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3レンズを使用。Insta360 one x2は山行では使用しましたが、小屋の中では使用していません。
乗鞍白雲荘の施設紹介
外観
ここが乗鞍白雲荘。魔王岳を背にして山肌に立っている立派な山小屋です。
朝日に照らされて乗鞍白雲荘の文字がより輝いて見えます。
玄関の前には、このような抜群の景色を見るテラスが用意されていました。宿泊する日は雨が降っていたので、結局使う機会には恵まれませんでした。
内観
木造が美しい玄関。左側にある扉から入ってきて、右側にあるフロントで受付。
扉を入って右側にあるのは下駄箱。ここで入ってきた靴とスリッパに履き替えます。
細かな気配りができていて、濡れた時に使用するための新聞紙が置いてあったりするのは、なかなか高ポイントでした。
受付を済まして、今回宿泊するのは個室なので2階に向かいます。廊下も含めて木造作りはかなり綺麗であり、全体的に清潔感があります。
2階までは階段を使用します。廊下には様々な四季の乗鞍の写真が飾ってありました。
2階の廊下も光が入り込み。とても明るく綺麗。
部屋を紹介する前に他の設備をご紹介します。廊下には数多くの本が置いてある本棚がありました。
廊下にはストーブも常備。
廊下には乗鞍岳で見られる草や鳥などの生態に関してのポスター、ライチョウ・ホシガラス・熊などの生息するマップがあったりしてとても面白かったです。
特に生息マップに関しては宿泊した人が、何処でライチョウやホシガラスを見たかをシールによって色分けされており、非常に面白かったです。
明日通る予定の尾根はライチョウが沢山見られているから、もしかしたらこの辺で会えるかもね!など会話が弾むと思います。
水回り・トイレ
山小屋は水の処理の関係で洗剤が使えないことが多いですが、ここは洗剤が置いてありました。
さすがに置いているものが使えないということはないと思うので、常備してある洗剤を使って消毒をしました。この辺りはコロナもある情勢の中、とても助かります。
小屋の中には男女別のトイレがあります。下にクリックしたら開くトイレの写真を載せますが、水洗でとても綺麗です。
ただ夜は水の流れが悪いからか、少々匂いがあることがありました。
- トイレの写真 ※クリックで開きます
-
男性便所
洋式便所。洋式の便所がひとつしかないので、朝のトイレ渋滞などは考慮しましょう。
幸いにもバス停の前にも公衆トイレも近くなので、急いでいる場合は出発してからそちらの公衆トイレに行くのも1つの手です。
喫茶店・売店
受付にはカップラーメンやスコーン、お菓子、ペッドボトルなどが売っています。
食堂内にもペットボトルが入っています。とても嬉しいことにペットボトル500mlが何と200円!!
山の上でペットボトルが200円で売られているのはかなりの高ポイントです!!
他にも軽食として、おでんや紅茶、コーヒーなどが販売していました。
飲食以外のものは、木で作ったクラフトコーナーが面白かったです。
熊やライチョウといった木の置物がたくさん並んでいます。
全体で見るとこれだけの量で圧巻でした!他にもポストカードや手ぬぐいなどの商品が売店では売っています。
ちなみにゆずも記念で手ぬぐいを購入!
コーヒーやココアなどのインスタントの物があり、お金を払うことで飲めるものもあります。ただ右にある大きなポット。中にはお湯が入っているのですが、これは無料でもらえました!
ゆずは紅茶や緑茶などを別で持ってきていたので、お湯だけもらってあったかい飲み物を飲みながら時間を過ごせました。
またまたすごいところは、夕食後の受付にほうじ茶が入ったポットが置いてあります。これも好きなタイミングでもらえたので、食後に自分の持ってきたコップでいただきました!
大変ありがたかったです!
部屋
宿泊した部屋は2階のヨツバシオガマ。魔王岳とか剣ヶ峰でもなく、ヨツバシオガマというところが何とも面白い。
4.5畳ほどの小さな個室ではありますが、ふたりで利用するぶんには十分の広さ。
ハンガーもちゃんと置いてあります。
山小屋では破格なコンセントが付いているのも、とても嬉しいポイントです!何だかんだで電子機器は持っていくので、充電できることはとてもありがたい。
相部屋もちらりと覗きました。
部屋から見える景色。目の前に道路があるのがわかるように、畳平バス停まで進む路線バスがこの小屋の目の前を通ります。
ちなみに左の尾根を登ると大黒岳。右の尾根を登ると富士見岳です。
お風呂
以前ご紹介した立山にある『らいちょう温泉雷鳥荘』のように温泉はありませんが、ここ乗鞍白雲荘にはお風呂があります。
沸かし湯ではありますが男女別で内湯が分かれており、毎日お風呂に入りたいと思う方にもとても嬉しい設備です。お風呂は基本無いですからね。
脱衣所はカゴのみなので貴重品にはご注意を。
ヒバ材をふんだんに使った趣のある浴槽。正直温泉ではありませんが、この雰囲気だけもう個人的には最高です!
ちゃんとシャワーも付いている素晴らしい仕様です。
夕食
さて夕食を食べに食堂にやってきました。大きな窓があり光が入り込むとても明るい食堂です。奥には天気予報が映し出されています。
角には誰もが憧れる薪ストーブ。火を眺めているだけでもとても落ち着く…。
さてテーブルについて、今回の夕食をいただきましょう。
炊きたてのご飯、入れたての味噌汁はとても暖かい。ただ今回だけだったと信じたいですが、味噌汁だけは味がかなり薄かった。
メインの料理はすき焼きで大変美味しかったです。
朝食
朝食も同じテーブルでいただきます。朝食も朝から温かいご飯と味噌汁で良かったのですが、少々おかずが少ない。
ご飯と合わせるおかずが少なかったので、そこだけがゆずとしては惜しい点でした。
近くの景色、日の出・日の入り
星空撮影、日の出、日の入りを行うときは、山はかなり寒くなります。防寒着の準備だけはしっかりと行うようにしてください!
時期にもよるみたいですが、日の入りは岐阜県側から見えるようです。
宿の人から教えてもらった日の入りのポイントの一つは、乗鞍平お花畑のところの谷間から見えるとのこと。どちらにしろ日の入りは雲が厚く期待できなかったので、今回は見ることができませんでした。
高倍率ズームレンズゆえ、星空は綺麗に撮ることができず…。月も明るかったためフレアが入ってしまっています。
なかなか星景写真は勉強する機会が少なく、うまく撮れないですなぁ。
日の出はうって変わって晴天に恵まれました。『富士見岳』『大黒岳』どちらでも日の出が見ることができます。
今回は大黒岳に登り、そこで日の出を見ています。
日の出が見れたこともとても嬉しかったですが、この雲海が見れて幸せ。
あぁ、この日の出の瞬間だけは全てを忘れられます。
日の出を待つ間はあんなにも寒かったのに、太陽が出るととても暖かく太陽のありがたみが身にしみます。
朝日のオレンジ色に染まる登山道を戻ってからでも、朝食の時間に間に合うのは非常にありがたい!
さいごに
日帰りで行けるぐらい気軽な乗鞍岳もとても貴重なものではありますが、山に泊まるハードルが低いという点も乗鞍岳の非常に魅力的な一面だと思います。
宿泊した乗鞍白雲荘の設備が良い事も当然ですが、簡単に行ける乗鞍岳でも景色は一級品。そこまで高いハードルではなく、素晴らしい日の出・日の入りを見ることができるのが何よりの利点です
この記事を紹介している2021年10月は山小屋の営業を終了してしまっていますが、来年の夏秋の時期に是非ともオススメな山小屋の1つですね。
抜群の景色を近くで見られる立地、個室でプライベートも守られ、衛生面も非常に充実している乗鞍白雲荘。是非とも登山で泊まる際の、選択肢の1つにいかがでしょうか。
それではみなさん、良い山旅を!