皆さんこんにちは、ゆずです。
思い出に残る山、白馬岳から雪倉岳を経由して朝日岳の縦走路の2日目です。1日目は白馬大雪渓が見どころでしたが、2日目は高山植物とたくさん見られる特に気に入った白馬岳~雪倉岳の間を歩きます。
第2回目は1日目の宿泊地の白馬山荘から白馬岳・雪倉岳を経由して朝日小屋に宿泊する道のりをご紹介します。3日間の行程の中で、山々を縦走する1番の贅沢ポイント。
ここの縦走は出来て本当に良かったと思いますし、朝日小屋の食事の充実さも格別で最高でした。1日目に頑張ってきたかいがあった2日目です。
ちなみに登山道・山小屋の営業状況は、必ず確認してから行くようにお願いします。残雪具合で通行止めになる区間もあるので、チェックしましょう。
- 白馬山荘から白馬岳・雪倉岳、朝日小屋までのコースを紹介
- 絶景の稜線歩きと様々な種類の高山植物を見ることが出来る
- 朝日岳も巻く、水平歩道は雪解けが遅いので通行可能か確認必要
- 歩行時間は7時間10分と長め。周りの絶景に目を奪われ過ぎないように!
- 道中のトイレは雪倉避難小屋のみ
- 朝日小屋はトイレも綺麗で、食事も最高!
山行の概要
日時:2019年7月30-8月1日
メンバー構成:2人パーティー
コースタイム:山と高原【2日目のコースタイム約7時間10分】実際には10時間。
私のペースは大体、写真を撮って休憩入れて、コースタイムのちょうど~少し遅いぐらいです。日の出を見たり、咲き乱れる高山植物を撮影したり、長い行程と蒸し暑さで若干バテ気味になったので、時間がかかっています。
ルート紹介
2日目は名峰白馬岳、花が綺麗な雪倉岳までの縦走路が特に魅力です。
とくにゆずが大好きなハクサンイチゲの群落が見られたのが、とても良かったです。遮るものがない稜線の道は展望が素晴らしく、これぞ花の山だと感じました。
調べた段階で期待をしていた通り、朝日小屋の食事はとても美味で、トイレは水洗で綺麗。小屋の滞在も快適な満足度の高いルートです。
公共交通でのアクセス
詳しくは1日目を参照。山小屋から山小屋への移動なので、ここは省略します。
皆さんこんにちは、ゆずです。 思い出に残る山は沢山あると思いますが、特に印象に残った山はあると思います。ゆずは北アルプスでも特に気に入った山域が、白馬岳から雪倉岳を経由して朝日岳の縦走路です。 気に入っている理由は『高山植物の多さ』に尽き[…]
今回の撮影機材
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M1 紹介記事はこちら |
レンズ | M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO 紹介記事はこちら |
設定 | jpeg撮って出し |
ピクチャーモード:ViVid |
昔相棒のE-M1でしたが、持って行ってよかったなと思える素晴らしい景色でした。もっと動画を撮っていれば良かったと思いますが、この時の記録を残してくれていることに感謝。
山行記録
※注意
この山行記録は参考にする程度にとどめて、必ず登山地図を持参してください!
トイレ情報
- 雪倉避難小屋
- 朝日小屋
トイレは最初と最後、途中に1つ。
行程が長いですが、途中に営業している山小屋はありません。雪倉避難小屋はトイレがあるだけでも助かるものですが、朝日小屋は水洗でとても綺麗で最高です。これだけの山奥で、立地的な面も加味すると、ゆずの中では一番綺麗ではないかと思います。
- トイレの写真 ※クリックで開きます
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白馬山荘のトイレも十分に綺麗。でもぼっとんなので、やや臭気あり。
ここが雪倉避難小屋内のトイレ。地図には緊急時の使用と書いてありましたが、トイレは使用できました。白馬山荘ほどの清掃が出来ていないと思うので、少々汚いのと臭気もまずまずあります。
でも道中にはここしかトイレがないので、貴重なトイレだとは思います。
この2つが朝日小屋のトイレ。ここのトイレは水洗で、見事な清潔感。弱点をいえば、トイレ自体の数が少ないことでしょうか。
汚いトイレには長居したくないですが、トイレが綺麗だと滞在時間長くなりやすいような気がします。
白馬山荘から白馬岳山頂へ
日常生活なら起きることがほとんど無い時間の朝4:30、山の中。皆さん、おはようございます。
ホント4時台に標高2000m級にいて体を動かしているなんて驚きですが、山だと出来てしまう不思議。さて今日は長丁場です。
2日目に宿泊する朝日小屋の小屋番さんから、朝ごはんはお弁当にして、早めに出発することをすすめられたので今回の朝食はお弁当。
ちょうどご来光前で、徐々に明るくなるところでしたが、残念ながら霧が出ている環境。
周囲が開けることがあれば、急にガスに包まれて目の前の山が消えたり、出てきたり。
昨日、稜線を歩いたときに比べてれば、全然良い!雲海のようなこの雲も、また日常生活では見ることの出来ない景色。
ご来光はしましたが、雲に隠れてはっきりと見れなかったのが残念。
それでも素晴らしい景色。シルエットがなお美しい…。幻想的な朝です。
少し待っても天候は優れなかったので、白馬岳は薄いガスの中ですが行くことにしました。後立山連峰特有の黄色の標識の、白馬岳山頂に到着しました。
残念ながら展望はありません。
三国境で絶景の中、朝食を食す
景色が見れませんでしたが、白馬岳山頂を後にして朝霧に包まれる稜線を歩きます。
ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンポウゲのどれか!!
多分、ミヤマキンバイです。
ミヤマダイコンソウは葉っぱが丸いと覚えて、それ以外はミヤマキンバイだな、と一時期覚えた気でいましたが、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲと黄色の花の数の猛攻をくらい、判別不可能に。
覚えている人は凄い。ゆずも頑張ります。
ちなみに何となく、写真の曇りすぎていない?って思う方もいるかもしれませんが、その通りで霧が凄すぎて、ブロアーで水滴を飛ばしても、すぐにレンズ表面が濡れてしまいます。
露に濡れたチングルマおじいちゃん、ミヤマアズマギク。
少し霧が収まって撮りました。花も茎も葉も水滴まみれになっています。
あおぞら~!!
抜群の稜線が見えてきます。
この写真のみlightroomでRAWファイルから階調自動現像していますが、この写真の場合は現像した方が目で見た景色に近いです。現像ソフトも面白いですね。
石が転がる斜面に小さな草が生えていますね。よ~くみるとピンク色の何かがあることが分かります。
こんな植物も生えなさそうな過酷な状況に咲く高山植物の女王『コマクサ』。可愛いですよね~。コマクサは他の花と全然形が被らないですし、細かな葉っぱといい、見つけると嬉しくなります!
かぁ~!左奥に伸びる絶景の稜線を進みますよ!
先ほどよりも凄いコマクサの群生。この距離だと、当時持っている12-40mmのレンズだと遠くまで撮れません…。いま思えば、12-200mmレンズを持ってれば良かったなと思います。
コマクサ満開。
晴れてきた白馬岳。タイミング的に残念でしたが、まあ良しとします。
主要の縦走路の交差点である『三国境』。三国の名前通り【新潟・富山・長野】の県境です。
新潟と長野の県境の白馬大池方面、長野と富山の県境である白馬岳方面、これから行く富山と新潟の県境の雪倉岳方面の3つの方向に分かれます。
時間にして、小屋を出てから2時間ほど。流石にお腹もぺこぺこなので、朝食のお弁当を食します。絶景の中で食べる弁当は格別。
お弁当はのり弁当。白身魚のフライと鳥つくね串、おしんこなどで、減ったお腹には美味しかった。贅沢を言えば味噌汁を飲みたかったところで、持って来ればよかった。
コースタイム45分の道のりを、1時間50分ぐらいで進んでいるのんびりなゆずですが、まあご来光や絶景があればだれでも写真を撮ったり、足が止まって見とれてしまいますよね!
ご飯を食べたら、長い縦走路歩きの再開です。
三国境~雪倉岳。花が咲き乱れる美しい稜線
三国境から延びる雪倉岳への縦走路。何とも完璧な道でしょうか。
山肌にある雪の白色もまた縦走路を美しくさせます。1日目は景色がお預けだったこともあり、少し歩いては写真を撮り、同じような構図の写真を量産してしまう始末。
まさにここを歩いください!と言わんばかりの道。
朝はガスに包まれていた白馬岳も雲が外れて、姿を現す。
チングルマの青年時代。当ブログはチングルマおじいちゃんになるまで、応援しております。
山頂でこの快晴を味わいたかった…。さよなら白馬岳。
三国境から白馬大池方面に進む道。よ~く稜線上をみると、列になって稜線を歩く人たちが見えます。テントで縦走する人の姿も見えましたし、ここ白馬は色々な方面に行くことも出来るのが魅力的ですね。
次回ゆずは白馬大池方面の縦走してみたいと思っています。
さらに白馬岳から離れて、山全体の風景を目に刻みます。
この辺に咲いているイワギキョウの群落
再び白馬岳を振り返る。かぁ~、全然先にすすまねぇ!
いつまでたっても先に進まない足に鞭を入れて、正面に見える山は『鉢ヶ岳』。道っぽいものが稜線上にありますが、この山は斜面を横切るようにトラバースします。
ちょうど山肌にある雪を何ヶ所か横切ります。小雪渓ほどの規模や斜度ではないですが、細心の注意を持って進みましょう。
ちなみですが、この鉢ヶ岳のトラバース道が一番高山植物の群生があって、美しかった。ここでの写真撮影ははかどりました!
もっと周囲にチングルマは群落していたのですが、密集ぐらいが写真で撮影するのが難しい。
大好きなハクサンイチゲも可愛く、そして美しい造形で咲いている。
チングルマよりも1つの茎に花が密集している様が良い。
そしてこの白馬縦走して面白かったのが、幅広い時期の高山植物が咲いていること。このチングルマおじいちゃんも、先ほどの青年時代のチングルマと徒歩5分とかしか離れていません。
同じ高山植物でも場所によって咲く時期がずれているの、また面白かったです。
天に向かって伸びるおじいちゃん。
こちらはコバイケイソウの花たち。数も多く、また密集している。
高山植物のビクトリーロードをすぎると、すぐに平べったい稜線が出てきます。目的の雪倉岳はうっすらかかる雲の中。
道中にはこの避難小屋があります。雪倉避難小屋は緊急時以外は使用できませんが、万が一の風よけや雨除けに非常に重宝します。
中は意外にも綺麗。古めな造りではありますが、ここまでよく綺麗にしているなと感心します。トイレも緊急時としては使用出来るので、非常にありがたいです。
避難小屋を後にして、あとは雪倉岳への最後の登り。三国境から結構下ってからの登り直しですので、まあまあ登りごたえはあります。
白馬岳から降りて、右手前に歩いてきた稜線の道筋もしっかりと分かります。
日本二百名山『雪倉岳』に到着。高山植物たちをもみつつ進んできたので、早かった印象ですが、何だかんだ疲れました。
雪倉岳からの景色ですが、だんだんとガスが濃くなっているのが分かると思います。そして、このガスが周囲を覆い、しばらくの間は展望とは無縁の登山道を歩くことになります。
雪倉岳から水平歩道を経て朝日小屋へ
移動するたびに登山道脇に生えている高山植物たちは姿を変えます。マツムシソウの花は特徴的で覚えやすい。紫色というのも珍しいし、花びらも見事なバランスで咲いていますよね。
そして何と石楠花も咲いている。石楠花なんて6月とかの印象ですが、季節をさかのぼっている印象です。
ポイントの1つである『燕岩』。ゴロゴロと大型の石が転がり、迫力のある岩場です。地図に水場も書いてありますが、ゆずが見た感じは普通の小川でした。
この近くでカップラーメンを食べて、後半のエネルギーを蓄えます!
さらにさらに高山植物も種類が増えてきます。シモツケソウ。
ニッコウキスゲ
ウスユキソウ(なんのウスユキソウかは不明)
う~ん、ネギ坊主でしょうか?水滴が綺麗で撮影したのですが、詳細がはっきりせず。
今度は綺麗な形と色をしたアザミ。
残念ながら天気は良くならず、ガスの中を進む。登山道の脇に咲く、高山植物たちに励まされながら進みます。
時折、ある木道もガスのせいでうっすらと濡れて滑りそう。
一瞬ガスが取れて、正面に朝日岳が見えます。本日は朝日岳は登らずに、水平歩道でまいていきます。あれを越えてまた降りるのは大変ですよ。
水平歩道分岐の前にある『小桜ヶ原』。小さな湿原ですが、7月末なのに、ここで思いがけない花に出合いました。
なんとミズバショウ!!この辺りは雪解けも遅いようで、少し時期がずれているのでしょうね。
先ほどの石楠花といい、白馬縦走路を北上するにつれて、季節が逆行するそんな不思議な感覚でした。
水平歩道の分岐ですが、今回は水平歩道に向かうので左正面に進みます。はじめの方でも言いました、水平歩道は雪解けが遅いようで、あまりに早い時期に行くと、水平歩道の通子止めがあるので注意です。
通行可能ですが、それでも木道の一部が残雪に埋まるほど。確かにこれならまだ5.6月のように高山植物たちが錯覚してもおかしくないのでしょう。
水平歩道はずっとガスで展望も無いので、今回の山旅では見どころなく経過。1時間半ほど歩いて、画面真ん中の左にある赤い屋根の建物『朝日小屋』に見えてきました。
この辺も木道で整備されています。明日は朝日岳に登るので、またここを通ることになるのですが、本日は朝日小屋に行くので左に曲がります。
ここまで来ればもうすぐ。
あ、あのとんがった建物は…!!
はい、お疲れ様でした。山中2泊目の宿『朝日小屋』に到着です。
白馬山荘よりも小規模な3階建ての朝日小屋ですが、平日なのに人は結構いました。結構歩く場所にあるのですが、皆さん好きな山域なのでしょうね。
小屋の前にはテント場もあります。ここはさらに日本海まで延びる『栂海新道』、白馬岳方面の縦走路の中間地点になるので、人が集中するのだと思います。
山での炭酸は何故にこんなにも最高なのか。コーラのしゅわしゅわが喉を刺激して、疲れを吹き飛ばしてくれます。
そしてこの夕食よ!!!!
こんな山奥で出てくる料理ではかなりの品質。ここは富山県ですが、まさかの富山湾でしか捕ることが出来ない名物『シロエビ』が出てくるとは思いませんでした!
疲れが蓄積しているであろう2日目に、このボリュームの料理が出たのでしっかりとエネルギーをチャージ出来ました!
日の入りのときは少しガスも取れ、夕焼けに染まった美しい雲をみることが出来ました。明日の3日目は最終日である蓮華温泉までの下山。
2日目の記事はこの夕焼けとともに終わりにしようと思います。
さいごに
今回は丸1日山の中にいる贅沢な2日目を紹介しました。実は完全に山の中に2日宿泊して縦走するのが初めてだったのですが、うまく歩けて良かったと思います。
やはり食事面やトイレなどの衛生面がしっかりとしていると疲れも取れやすく、ストレスも少ないので山小屋自体の選択肢も重要になってくると思います。
白馬岳を越えて雪倉岳を経由するこの縦走路ですが、景色もさることながら雪解けのタイミングが違うので、高山植物たちの植生が歩くたびに変化していくのは非常に面白かったです。
是非とも様々な高山植物たちを見に行きたいと思う方は、この縦走路は非常にオススメです!
それではみなさん、良い山旅を!