みなさん、こんにちはゆずです。
登山のあとは疲れが溜まり、もう一泊してから帰りたいと思ったことは多いはず。せっかくなら食事も美味しい、温泉で癒されたいでしょう。
今回はこれから紅葉時期を迎える山梨県の奥秩父に位置する『甲武信ヶ岳』やその近くの『乾徳山』などに登山後に立ち寄りやすい温泉宿『川浦温泉 山県館』をご紹介します。
有名な山の途中に寄りやすい交通の良さはもちろんのこと、首都圏からも比較的近い。それでいて40℃前後の非常に入りやすい源泉かけ流しの高アルカリ性単純泉の温泉は、この辺りでは貴重な存在でオススメです!
- 山県館へは JR 塩山駅から送迎車もしくは路線バスを利用する
- 登山と絡める場合は、路線バスとの関係で『甲武信ヶ岳』『乾徳山』『西沢渓谷散策』などが利用しやすい。しかし西沢渓谷に行くバスが早くても8時台なので、前泊よりも後泊の方がオススメ
- 今回は二食付きで約12540円で宿泊
- 源泉は見た限りでは2つ。武田信玄の隠し湯とされる高アルカリ性40~42℃の程度の源泉が、毎分1250Lも流れ出るほどドバドバ。ここが最大の魅力
- 有名な信玄露天岩風呂は混浴だが、女性専用時間を設けている。それ以外も内湯、貸し切り風呂もあり
- 食事は突出して記憶に残るものは少ない。でも普通に美味しい
川浦温泉 山県館について
山梨でヤマガタという名前を聞いて、歴史好きの方であれば武田騎馬隊の赤備えを率いる『山縣 昌景』を知っている方もいるでしょう。この山県館の当主の先祖が山縣 昌景とのことで、昭和34年から山県館と名付けたそうです。
武田信玄は甲斐の国を治めており、信玄公隠しの湯などと称される温泉地が山梨近くには多く、ここ川浦温泉も武田信玄の命により開発をされてきたようなのです。一番の売りにしているところは、この紹介にもあったように温泉ではないかと思います。
山県館へのアクセス(宿送迎車or路線バス)
公共交通機関で山県館へアクセスする場合、 JR 塩山駅から送迎車もしくは路線バス(バスは山梨市駅からもあり)を利用します。宿に直接行く場合は駅からの送迎車を利用し、乾徳山や甲武信ヶ岳、西沢渓谷といった登山と絡める場合は路線バスを利用するのがいいでしょう。
【送迎車】JR塩山駅 ※要予約 | |
【迎え】塩山駅北口 14:10発、15:10発、16:10発 | 【送り】山県館 10:00発 |
バスを利用する場合は山梨市駅・塩山駅から出ている西沢渓谷行きのバスを利用しましょう(一部季節運行なので注意)。 バス自体は1時間に一本程度なので時間には要注意です。
山県館の金額
宿泊プラン
【じゃらん限定】口コミお風呂部門3位感謝、口コミ5点の温泉満喫プラン
和室 8畳 1部屋 2人 |
1人 1泊2食 12540円 |
じゃらん限定で販売されていたプランでしたが、チェックインがはやくなるのと貸し切り風呂の金額が割引されるものです。
周囲には自家用車が無ければ飲食店はほとんどないで2食となるでしょう。甲武信ヶ岳の登山口である西沢渓谷に向かうバスも6.7時台が無いので、朝ごはんを抜いて早く行こうにも行けないですし…。オススメとしては登山後の後泊向けですかね。
今回の撮影機材
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ 紹介記事はこちら |
レンズ | M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 紹介記事はこちら |
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II 紹介記事はこちら |
最近のセットである高倍率ズームレンズ・望遠ズームレンズ。登山後なので持っていますが、宿ではほとんど望遠ズームレンズは使っていませんけどね。地味に温泉旅館は暗い場面での撮影をしたくなることもあり、明るい単焦点レンズが欲しい今日この頃。
宿の紹介
乾徳山・甲武信ヶ岳とのセットをオススメしましたが今回はそちらには登っていません。天候などとにらめっこした結果、甲武信ヶ岳方面には行かずに、長野県美ヶ原を登った帰り道に途中下車し、塩山からの送迎車を利用しました。
電車の時間を事前に伝えていれば、ほとんど待ち時間も少なく円滑に宿まで送迎してくれます。大体が特急電車の時間に合わせているみたいでした。
車内はこんな感じ。
ちなみにコロナの対策で運転席とその後ろの間には、透明なフィルムで壁を作ってありました。運転手さんが川浦温泉の歴史や大浴場や露天風呂が交代する時間など注意点を説明してくれますが、運転席の後ろにいたゆずがかろうじて聞こえたぐらいなので、その後ろの方々はほぼ聞こえていないのでは…?
コロナで声を張れない、仕切りを作る必要があるのであれば、スピーカーを設置することや宿に着いてから説明するぐらいの方が良いのかと思いました。この辺りは聞く立場で考えてもらえるとよかったかなと思います。
送迎車にゆられ20分ぐらいで到着。写真は上の道路から撮影していますが、送迎車は車椅子駐車場の横にある出入口前まで移動してくれます。建物自体は山間にある建物でとても立派でした!
路線バスの川浦温泉バス停は、山県館のすぐ近くでとても良い立地ですね。登山で疲れた身体で移動距離が少ないのは非常に助かります。
内観
早速ですが、ロビーを見ていきましょう。こちらはフロント周り。
しっかりと荷物を部屋に運ぶカートも用意されています。歴史もある建物なので、少しだけ古さを感じますね。とはいえ清潔感はあるので十分に良いと思います。
先ほど紹介した武田家、山縣氏関係の絵や茶器が展示しています。
そちらも興味は惹かれましたが、気になったのは可愛らしいたぬきの置物。何とも丸っこい置物よ。
こちら売店。最近はホテルや旅館にある売店を使うことはほとんど減ってしまいましたが、地味にあると安心しますよね。
そんなフロントを去り、部屋の廊下に来ました。写真には残していませんが、館内の移動はエレベーターでほとんどの場所が可能になっています。
部屋
3階のかつらの部屋に宿泊。
コロナの時期ということもあってか、はじめから布団が敷いてありました。やや壁や広縁の古さは感じたものの、畳は新しくなっており変えられる部分はしっかりと変えているのは好感が持てます。
窓の外を見てみると周囲は山であることが分かります。ちょうど左下が川になっているので、谷を見下ろす形で建っていますね。ちなみに正面下の延びている廊下が露風呂に繋がる廊下になります。
電気ケトルとは別で冷水も用意されているのは良い!
特に備品に関しては不備なく、電気ケトルもまれに沸騰するまでに時間がかかりすぎるものがありますが、そんなことがなくばっちりです。
温泉旅館としては規模の大きい4階建て+5階建て+露天風呂のために地下1階。ちょっと道に迷いそう。
- 綺麗な水洗トイレです
- 部屋のトイレはウォシュレットも付いて、不備はなし!!
温泉
さて信玄公が気に入った温泉である川浦温泉を見ていきましょう。
内湯2(男女時間で入れ替え)、露天風呂1(混浴、女性専用時間あり)、貸切風呂2
合計5つの浴槽がありますが、貸し切り風呂は有料なんで基本は3つ。一番有名な露天岩風呂は混浴となっていますが、16:00~18:30は女性専用時間となっていますのでその点は安心出来るかと思います。
ゆずとしては男性専用時間が作られるのが珍しく思いました。女性専用時間はあった方がせっかくの良い雰囲気の浴槽をハードル低く楽しめるので良いと思う派ですが、夕食前の時間を逃すと次に女性専用時間が無いのが少し気になる部分ではあります。
では浴槽まで移動しましょう。
川浦温泉の温泉特徴を事細かに書いています。pHとか温度、泉質とかは気にしますが断層とかの話になるのは面白いですね。ここでは3つの源泉を書いていますが、ゆずが見かけた源泉は2つ。ちなみに説明分が2.3か所ありましたが表記が違うものがあったので、ひとまず見やすかったのもでチョイス。
一号源泉:川浦の湯(高アルカリ単純泉)
- 源泉42℃
- 毎分530L
- pH:9.4
二号源泉:雷沢之湯(高アルカリ単純泉)
- 源泉40℃
- 毎分720L
- pH:9.6
特徴としては、高アルカリであり、40℃前後の熱すぎる温泉でもなく、湧出量が豊富であることですね。源泉温度が60℃とかではないので、どばどば源泉をかけ流ししても快適な温度で入れるので非常に魅力的だと思います。
それだけ重宝されてきた温泉に令和に今でも入れることに感謝。
せせらぎの湯
まずは大浴場の1つ『せせらぎの湯』
ここ山県館は『源泉湯宿を守る会』『温泉遺産を守る会』に所属。正直、似たような名前で明確な違いを理解しているわけではありませんが、温泉を大事にする会であることは分かります。そこが認めているわけですから、良いに決まっています。
最近は日本秘湯を守る会のスタンプ帳含めて、全部でスタンプが押せるようになったで嬉しいですね。
脱衣所。最近よく見るコロナで籠を使えなくしているやつ。
日帰り入浴も来る人が多いのか、鍵付きのロッカーもあります。
洗面台もおしゃれで、ドライヤーの性能も十分です。
さて、こちらが大浴場の内湯です。大人数でも入れるぐらいの大きさで立派。真ん中の給湯口からはバンバン新鮮な源泉が出ています。
こちらの浴槽は一号源泉:川浦の湯を使用。42℃のかけ流しなので、40℃前後の適温で入れます。
シャワーなどは必要十分。
露天風呂もありますが、こちらはかなり小さいめ。二号源泉:雷沢之湯を使用して、屋外ということもあり、内湯より少々ぬるめ。
薬師の湯
もう1つの内湯『薬師の湯』。この2つの内湯が男女入れ替えとなります。
脱衣所
洗面台もありますが、先ほどのせせらぎの湯よりもドライヤーは少なめ。化粧台もあったので、せせらぎの湯の方が女性向けの設計なのかもしれません。
大きな大浴場。薬師の湯は正方形に近い形をしています。浴槽の大きさは薬師の湯の方が大きいかと。ちなみにこちらは一号源泉:川浦の湯なので、41℃ぐらいの温度。
露天風呂は2つあり、大きさもそれなり。かつ打たせ湯もある仕様。浴槽の広さやバリエーションふくめて、薬師の湯の方が浴槽には力を入れていますね。
信玄岩風呂(露天かつ混浴)
さて本命である信玄岩風呂に行きましょう。せせらぎの湯とは反対側にある道を進みます。左が露天風呂、右の階段が貸し切り風呂に行けます。
露天岩風呂は川沿いにあるので、谷間に降りるために専用のエレベーターを使用します。この温泉に行くためにエレベーターを使うのは、特別感があって良いですよね!!
エレベーターを降りると急に大自然の中。
緑が綺麗な自然の中、木で作られた階段を進み、川まで降りていきます。写真で見ると分かりますが、この露天岩風呂に行くためには長めの階段を登り降りしなくてはいけません。
降りていくと露天岩風呂の屋根が見えてきます。入口は奥の方なのでぐるっと回り階段で降りていくと到着です。
一応、脱衣所は建物で分かれていますレベル。
男性の脱衣所。小さな小屋のようになっており、籠も少ないので脱衣所は地味に狭いです。
あぁ、岩風呂の良い雰囲気。大きさもあるので、それなりの人数が入れます。ちなみに写真通りではありますが、温泉は透明。女性が混浴で入る場合は、ハードルはかなり高いと思われます。
まあゆずは実際に入ってきたら気まずくて落ち着かないと思いますが。
洗い場は申し訳ない程度に1つ
岩風呂の目の前には河川が広がっており、素晴らしい雰囲気となっています。今回は7月末に行くことになりましたので、少々外気温が暑かった。新緑や紅葉だと気温も含めて結構良いのではないかと思います。
明記がありませんでしたが、ここの露天岩風呂は一号・二号源泉を混ぜているのかな?
ロケーションも素晴らしく、露天ゆえに温度も40℃程度に抑えられており、端の方に行けば39℃ぐらいのとても長湯が出来そうな良い温度になっていました。
夕食
温泉でさっぱりと汗を流したら、お腹が空いていたので夕食です。時間は空いていなかったので、早めの17:45。もう少し遅くても良かったかな。
彩り豊かな料理。暖かいものは別で運ばれてくるのは、何だかんだで嬉しい。
こちらが本日のお品書き。
この辺りの感想は難しいですね。普通に美味しいと書くと平均的という評価になると思いますが、しっかりと美味しいです。ただ、これは…!!というものは無かったというのも素直な感想ですね。
普段からそんな高い料理を食べて舌が良い訳ではないと思いますが、2食付きで温泉も素晴らしい旅館なので12000円と考えると十分に良いと思います。これが20000円近いとなると、金額との関係で物足りないと感じるところなので、金額とのバランスを考えると十分でした。
朝食
朝食も同じ場所で。
こんな感じのテーブルになっています。
美味しそうな朝食は並びます。
ちなみに温泉で脱水になったのか、のぼせたのか分かりませんが、朝食中に体調が悪くなってしまい、あまり味や内容を覚えていないのでご了承ください。ひとまずお粥は非常に食べやすくて美味しかったです。
登山との絡めやすさ ★★★★✩ 4/5点
一番の良い点は、日本百名山の甲武信ヶ岳の登山口である西沢渓谷行き路線バスがすぐにあることは非常に良い。西沢渓谷から川浦バス停まで12分というのも、宿まで長い移動せず済むので嬉しい点。
純粋に西沢渓谷のみでも楽しめるし、乾徳山にも行くのも良い。登山で疲れた身体を温泉で癒す、もしくは明日に向けて英気を養うために、しっかりとしたご飯を食べるのも良いでしょう。
ただ路線バスの時間が8時台という点が状況によってはマイナス。せっかく前泊するなら、電車で来る人達よりもはやめに行きたいところだが、それが難しいという時刻表。後泊にしてまったり利用、もしくはタクシー送迎を依頼して早朝出発だと利点になるか。
バス停も近く交通の便も良い、それでいて素晴らしい温泉に入れるだけにバスの運行時間が残念だと感じる。
甲武信ヶ岳は行ったことが無いので、乾徳山山頂直下の鎖場の写真を。
さいごに
今回は山梨県でも東京寄りの塩山駅から行ける川浦温泉 山県館をご紹介しました。本当は甲武信ヶ岳の帰りに後泊してまったりと帰りたかった所ですが、今回は天候もあり登山とは絡められず。
それでも新宿から塩山までは特急を使って1時間30分程度で行けるので、アクセスが非常に良いのはグッド。
ご飯も当然美味しかったですが、やはり1番は40〜41℃の良い塩梅の源泉かけ流しの温泉だと思います。この近辺では源泉かけ流しといった泉質に力を入れた宿は少ないので、次回こそは登山後に寄れればと思います。
それでは皆さん、良い温泉旅を!