みなさんこんにちは、ゆずです。
みなさんこんにちは、ゆずです。 前回、OLYMPUSのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3を登山に使ってみてという記事を書きました。35mm換算で24-400mmというかなりの焦点距離をカバーできるレン[…]
前回、OLYMPUSのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3を野鳥撮影に使ってみるとどうか、という記事を作成しました。登山+出先の野鳥を撮影するときにはまだ満足が出来ていましたが、野鳥撮影中心になってくるともっと遠くを撮れるレンズが欲しくなってくる始末。
そこではじめての望遠レンズを購入しようと調べ始めました。
ただ性能を求めると『高い』『デカい』『重い』と比例してデメリットの部分も強くなります。コンパクトさを求めて、コンパクトデジタルカメラを追加購入しようとも思いましたが、結果的には『OLYMPUSのM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II』を購入しました。
コンパクトデジタルカメラを選ばなかった理由と、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIを選んだ理由、使ってみた感想とその写真を紹介できればと思います。
結論から言いますと、まずは値段が安いことが第一。それでいてM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3よりも望遠域の描写性能は高く、薄暗い環境でなければゆずとしては大満足。手持ちも容易で、レンズ交換する手間さえ我慢すれば、登山の時にも追加で持って行くか非常に悩んでしまうほど素晴らしいレンズでした!!
- 35mm判換算で150-600mmという望遠が強みのレンズ
- 重量423g、新品35,640円(中古30,000円前後)の安さから導入には非常に向いている
- 防塵防滴機能はない
- F4.8-6.7の暗いレンズなので、望遠域の撮影は晴れている時に撮影しないと描写力の低下や被写体ブレが生じる可能性あり。ただそれを理解して条件がそろっていれば非常に使いやすいレンズ
- M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIのレンズの方が、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3の望遠域よりも描写性能は高い
- コンパクトデジタルカメラには軽量さや軽快さは劣るものの、本体性能で差が付きやすい。今回もレンズの購入にしたのは、今後のカメラ本体の機材交換による使い勝手の向上と描写性能の違いから決定
- 今後は登山にも使うことを考えると、レンズを交換する手間と重量増加が悩み
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II のスペック
焦点距離 | 75~300 mm(35mm判換算 150~600mm) |
最短撮影距離 | 0.9m(焦点距離75mm) / 1.5m(焦点距離75mm以外) |
最大撮影倍率 | 0.18倍(35mm判換算 0.36倍) |
F値 | F4.8-6.7 |
最大径x長さ | Ø69 x 116.5mm |
重量 | 423g |
フィルター径 | 58 mm |
発売日 | 2013年3月1日 |
防塵防滴 | なし |
価格ドットコム 2022.03.13現在 | 新品:35,640円(中古:30,000円前後) |
このレンズのポイントは、35mm判換算で150-600mmという超望遠を423g程度の軽さで使え、新品35000円ぐらいで購入できること。
個人的には超望遠レンズのデメリットと感じる『重い』『高額』『大きい』という三個の理由が、このレンズだと最小限になっている点が素晴らしい。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO【ブログ記事】
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3【ブログ記事】
とレンズを更新してきて、35mm判換算 80mm⇒400mmでも凄く世界が広がった感じがしましたが、600mmの世界はどんな景色を切り取れるのかワクワクしますね。
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIを選んだ理由
一番の購入目的は『野鳥撮影』のためです。
やはり今までの最大望遠が35mm判換算で400mmという焦点距離だと、小さい野鳥を撮影する時に足りないことがありました。これは自分が撮影に慣れていないこともあって、野鳥に逃げられてしまい近づけないなどの機材以外の問題も多いです。それならば近づけない距離を機材で補うしかないかと思い、購入しました。
ただ距離を稼ぐだけであれば、高倍率撮影も可能なコンパクトデジタルカメラも出ているので選択肢に良いのではないかと悩みに悩みました。
以下のCanonのPowerShot SX740 HSであれば、35mm判換算で24〜960mmと購入したM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIよりも遠くを撮れます。重量も約299gもさらに軽い。
NikonのCOOLPIX P900は35mm判換算で24〜2000mmとちょっと訳の分からない数字まで延ばして撮影が可能。ただし中古でも50000円前後の金額であることと、重量が約899gと手軽には持ち運べるものでは無いなと思いました。
悩んだ挙句、画質の面とボディ性能で決めました。レンズだけ交換するなら使用しているカメラの操作系統は同じですし、使用しているOMデジタルソリューションズ(OLYMPUS)のカメラボディを更新して行けば、おのずとレンズの使い勝手も向上していきます。
ちょうど以前記事にした新機種OMsystem OM-1は鳥認識のオートフォーカス性能の向上や、手振れ補正向上、動画性能向上などもあるので、伸びしろもあります。軽量なコンパクトデジタルカメラも非常に惹かれましたが、周辺機器も別で用意する必要となりますし、ボディ性能の向上も無いので選ばないことにしました。
実際の写真を載せる
こういっては何ですが暗いレンズになるので、まず薄暗い場所は苦手。天候にも恵まれていないと、やや解像度の低い写真となりやすい点や被写体ボケをしやすくなるのをご理解ください。それでも中古30000円で購入したとは思えないほど、高解像に撮れることが多いので、上には上のレンズがありますがゆずの使用目的としては非常に満足しています。
撮影は趣味レベルであり、RAW現像もかじる程度しかやっていないゆずの技量ですが、そのレベルで撮影出来る作例として、参考にしてください。
※ブログ用に圧縮してから記載しているので、本来撮影出来る写真の解像感はもう少し上です。
撮影機材
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ 紹介記事はこちら |
レンズ | M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II |
設定 | jpeg撮って出し |
野鳥撮影【晴れ】
カルガモのシンクロナイズドスイミング。ちょっと大きめの池でも、600mmあればだいぶ撮れるようになってきます。
ハクセキレイ。ちょうどM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3のレンズではじめてハクセキレイを撮影したときは、曇りということもありブレてしまって全然撮影が出来ませんでしたが、今回は上手く行きました。
写り自体も綺麗ですし、個人的にもリベンジが出来て良かったです。
上記の二枚はムクドリ。
ほぼ同じ場所で撮影しましたが、光の当たり方や茂みに居る場合でだいぶ写真の解像感も違うと思います。ISO3200でもゆずとしては使用出来るかなと思いますが、やはりザラザラする感じがあります。
並んでいるムクドリ。ゆずとしては丸くなっている時の鳥の方が可愛くて好きですね。池を挟んで反対岸の枝にとまっていたので距離感があったので、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3では二倍の引き延ばし効果のあるデジタルテレコンに頼るしかなかったでしょう。地味に400mmまでだと撮れないことが多かった印象です。
早朝に撮影したジョウビタキ♀(通称ジョビ子)。鳴き声はするのですが、近づくと飛び去ってしまったりする小鳥は多く、600mm まで撮影出来る焦点距離は何よりのメリット。できる限り遠くから撮れるレンズはシャッターチャンスも増えるので偉大です。
こちらは登山中に撮影したイカル。600mm の焦点距離でも届かなかったので、デジタルテレコンを使用して35mm 換算1200mm という超望遠距離で撮影しています。
とはいえ、これだけの焦点距離を持ってしても大きな木の先端にある場合はこれが限界。かろうじてイカルであることを確認出来る記録レベルにはなってしまいます。
とても綺麗な鳴き声が聞こえると思い、周囲を見渡すとベランダの角にいたイソヒヨドリ♂。あたり前ですが、家の庭に止まっている鳥を撮影するときには注意が必要ですね。
街中に聞いたことがない鳴き声がして、辺りを見渡すとおかしなほどの鮮やかな色合いをした鳥がいました。ワカケホウセイインコでした、まさかのインコ…、ペットが野生化したようでこんな街中にいたのに驚いてしまいましたね。
カルガモ。小さな池にいたカルガモを撮影できたので、距離も近くクローズアップした写真で撮れました。焦点距離自体が違いますが、望遠の解像度は瞳や羽毛の感じで比べると、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3よりもこちらの望遠レンズの方が良い印象。
条件にもよるかと思いますが、十分に綺麗だと思います。
街中のどこにでもいるスズメをクローズアップして撮影すると、見方が変わりとても新鮮。ちなみに意外かもしれませんが、スズメは逃げやすく600mmぐらいないと撮影が難しかったです。
野鳥撮影【花と鳥】
ここからは鳥とその時期に咲いている花を入れて撮影をしています。梅や桜などの花に寄ってくる鳥とセットで撮影すると季節感があって良いですよね!
梅×ムクドリ
梅の花があるだけで、こんなにも鮮やかに見えるのはとてもいいですね。梅の花は比較的背が低かったので、距離が近く撮影はしやすい方でした。
梅×メジロ、通称ウメジロー。
野鳥を撮影をする上で、この梅とメジロの組み合わせが撮りたくて始めたと言っても過言ではありません。小さいメジロを撮影するには600mmは非常に頼もしく、600mm 程度の望遠を使えばF 6.7でも後ろのボケる写真も撮ることができます。
ウメジロー②。さらに距離が近づけば、メジロほどの小さな鳥でも瞳や羽毛の解像感も十分なレベルだと思います。
ウメジロー③。個人的には十分に撮れている方だとは思っていますが、若干曇りになりISO が上がりやすいのでノイズがある写真になります。やはりこのレンズの最大の弱点でしょうか。
梅×シジュウカラ。600mm の焦点距離があれば、様々な小鳥を色々な視点で切り撮ることができます。
ヒヨドリの飛翔と河津桜。
早咲きの桜として有名な河津桜と、その蜜に寄ってくるヒヨドリ。そしてこのレンズを選んだ理由として挙げた、ボディ性能がいきる飛翔シーンです。立ち止まっている野鳥もカッコいいですが、飛翔シーンが撮れるとより力強く感じで嬉しいです!
ヒヨドリ×河津桜②。これは唯一トリミングしています。
個人的にはピンクのうるさい感じがあるものの、望遠で切り取っているので鳥も目立っている好きな写真です。このように季節感を入れると山岳写真と同じで楽しめます。
河津桜×メジロ、通称サクジロー。
今度は河津桜に集まるメジロの飛翔シーンを撮りました。晴れていて、光がしっかりと入ってくる環境であれば、この暗いレンズでもバッチリ撮れると思いました!
こちらも河津桜とヒヨドリの飛翔シーン。躍動感が出て気に入っており、広角写真には無い魅力があると思います。
使ったカメラボディである E-M1 Mark II の性能で、プロキャプチャーモードというものがあります。これは半押している間は裏で写真を撮り続けて、鳥が飛び立ったあとにシャッターボタンをしっかりと押す、するとシャッターボタン押したタイミングから遡って連写してためていた数枚の写真を記録してくれるモードです(シャッター押してからさかのぼって20枚分保存など)。
この機能があるだけで、鳥の飛翔シーンの撮影がかなり楽になりました。コンパクトデジタルカメラではこのように撮影するのはなかなか難しかったと思うので、ボディの性能が選べるミラーレスカメラにはその点が利点だと思います。
ちなみに上の写真はウメジローです。
こちらもプロキャプチャーモードを使って撮ったサクジロー。羽ばたく瞬間を撮るためにシャッタースピードを早くする必要があるため、これまた天気のいいような場所でしか使えません。ただ条件さえ合えば、これだけのクオリティになる写真が撮れるので十分魅力的だと思いました。
鳥以外【猫・風景】
望遠レンズは野鳥撮影だけではありません。登山や散歩で使ったとしても、景色の一部を切り取って撮影する感覚は良いですね。最後は野鳥撮影以外での作例をわずかながら紹介します。
野鳥観察をしているとよく出会う動物の猫。この猫は他の猫と喧嘩をしているところに遭遇。ずっと他の猫から逃げるように木の上にいました。
この目線の先にいる小鳥を狙っている猫。公園とはいえ、野良猫は逃げやすいことも多いので、この距離感を保てる望遠レンズの良かったです。猫に生活の一部始終を切り取っている感じ。
実際に低山ですが山にも持ち出してみました。短い焦点距離でも35 mm 判換算で150mmなので、登山道や看板などを撮影するなどは苦手。そのため、いつも撮影していないような高さの木の苔を撮ってみました。
梅の花。切り取ることに特化した望遠レンズなので、このように花をクローズアップするような写真は得意です。逆に広く撮ると花ひとつひとつが分かりにくいので群生地のように咲き乱れていれば良いですが、個人的には望遠でどの花を主役に撮るか探したり出来るので好きですね。
河津桜と菜の花の組み合わせ。
菜の花を主体として、後ろに咲き乱れる河津桜を背景としました。このような写真も撮れましたが、やはり望遠レンズなのである程度の距離がないと撮影できず、手前のものを撮るのは不得意です。
このようなクローズアップする写真は大好きですね。
撮影する被写体は望遠レンズで撮影すると、奥の被写体が近くに大きく映る圧縮効果を得られるので、奥の富士山を大きく撮影出来ます。
これぐらいクローズアップに撮るのは望遠レンズの得意なところ。やはり望遠側の描写は、ゆずが所有していたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3に比べて解像度が高かったです。
望遠側を重視する人にとっては野鳥撮影以外でも、十分に選択肢となります。
河津桜と菜の花パート2。
河津桜と奥にそびえる箱根の山脈。
近くの桜を撮るのは望遠でなくても撮影ができますが、桜の木の先端側の花々と奥の風景を合わせるにはこの距離が使える望遠レンズは向いています。
35 mm 判換算で600mmまで撮影できるレンズなので望遠域を多用しがちですが、広角側の望遠の描写も良いので日常使いなら十分に使っていけると思います。
使ってみた感想
メリット
- 望遠側はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3より描写は優れている
- 35mm 判換算で400mmから600mmまで増えたことで、野鳥撮影する機会が増えた
- 望遠側のF 6.7は確かに暗いが、日中の天気がいい場合など、条件が揃えば十分に使用できる
- レンズ重量が423g なので手持ち撮影も容易で負担になりにくい
- いかにも巨大なレンズを使っています、という圧力を周りに出さない
- 中古30000円前後で購入できるので導入しやすい
デメリット
- 暗いレンズなので薄暗い環境では、被写体ブレがあったりと使いにくい場面は確かにある
- 600mmまで取れることを知ってしまったので、今までのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3の望遠域では満足ができなくなってしまった
- レンズ、交換式、カメラなどでレンズを付け替える手間も、状況によって必要
- 主旨が違うがテーブルフォトなどの手前のものを撮影する用途には使えない
やはり値段とコンパクトさと600mm まで撮れるコストパフォーマンスの良い望遠性能が魅力的。一部暗いレンズゆえのデメリットがありますが、それを許容すれば十分問題はありません。むしろ遠くまで取れる楽しみを知ってしまったので、このレンズを持っていかないとやや不安に感じてしまうほど。
実際に登山でも使用してみましたが、近くに野鳥を見つけると、このM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II をつけて撮影したくなるのでレンズ交換の手間が増えました。レンズ交換式カメラなのでレンズ交換は醍醐味なのですが、登山中にレンズを交換する時間や、レンズを交換することによってカメラの本体の中にゴミが入ってしまったりと、交換によるデメリットも生じてしまいます。
人によってはレンズ交換の手間があるので、35mm判換算で24-400mmの焦点距離が撮影できるレンズを持っているならば、所持しているレンズ以上の焦点距離はコンパクトデジタルカメラに一任する割り切りもいいかもしれません。
さいごに
遠くまで撮影できるM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II を手に入れたことで、野鳥撮影がしやすくなり、非常に満足のいくレンズでした。
その分、望遠域の描写が今まで使用していた高倍率ズームレンズではやや満足ができなくなり、野鳥も撮影できる可能性があるなら、このレンズも持って行かないと撮れなくなるのでは?という不安感にかられるようになりました。
野鳥撮影だけであればこのレンズでいいのですが、登山に追加でレンズを持ってレンズ交換するなら手間も荷物も増えるので、どうしたものかと悩んでいます…。
ひとまずは長期の縦走だったり、荷物が増えることによって、体力面に不安を生じるような登山以外は持っていこうと考えています。
それでは皆さん、良い野鳥撮影と山旅を!