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登山で使うM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3。ほとんどの場面を切り取れる登山と相性抜群のレンズ。

みなさんこんにちは、ゆずです。

前回、OLYMPUSのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROをコスパの良い登山レンズと絶賛しましたが、その時にも述べていたように望遠だけが唯一の欠点。

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長いことこのレンズを使ってきましたが、動画を撮影する機会が2020年は増えてきて、表現の幅を広めるために望遠域が欲しくなってきました。

今回は同社から発売されている『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3』が自分が求める登山レンズに適していると思い、購入しました。里山中心ではありますが、使用してきたので、その感想を述べていこうと思います。

結論としては広角域~望遠域の幅が広い撮影距離はやはり最高で、風景・花・鳥といった登山で見られるものをほとんど撮影できます。しかしズームリングの固さと、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROのハーフマクロ性能に慣れてしまったゆずには物足りない近接撮影機能が気になるポイントでした。

  • 焦点距離『35mm判換算で24-400mm』の高倍率はとっても便利
  • 広角は描写良好、望遠はやや良好
  • 広角域では寄れるが、望遠域では寄りにくい
  • 倍率が高いのは望遠なので、望遠の方がマクロ的な要素でアップの写真が撮れる
  • 100-200mmの特にズームインの時のリングの動きが悪い

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3のスペック

焦点距離 12~200 mm(35mm判 24~400mm)
最短撮影距離 0.22m(広角) / 0.7m(望遠)
最大撮影倍率 0.10倍(広角) / 0.23倍(望遠)
F値 F3.5-6.3
最大径x長さ 77.5×99.7 mm
重量 455 g
フィルター径 72 mm
発売日 2019年3月22日
防塵防滴 あり(最上位モデルのPROレンズ並み)
価格ドットコム 2021.04.14現在 新品:79920円(中古:70800~78020円)

発売日が2019年と比較的新しいレンズです。このレンズの最大のポイントは、35mm判換算で24~400mmという倍率16.6倍の他にはない点です。

一般的な高倍率ズームレンズは35mm判換算で24~28mmから始まって、200~240mmで撮られるようなものが多いです。それでも必要十分な性能をしているものも多いですが、これはさらにその2倍遠くを撮れる性能を持っています。

それでいて、OLYMPUSの最上位モデル『PROシリーズ』と同程度の防塵防滴性能を持っているので登山でも安心です。ゆずもM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROのレンズで長いこと登山の春夏秋冬で使ったので、レンズの耐候性は折り紙付き。

ただし全てが良いレンズは存在しません。高倍率が撮れる反面、暗いレンズとなりボケ感や暗所での撮影性能の低下、レンズ描写性能の低下、質感の低下などあります。

このレンズの調べたデメリットは

  1. 広角域はPROレンズ並みの描写だが、望遠はやや描写が甘い
  2. 100~200mmのズームリングの動きがなめらかではない
  3. PROレンズよりもレンズ内に塵の混入があるケースが聞かれる

などの不安点がありました。

『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO』と『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3』の比較

焦点距離(35mm判換算) 24~80mm 24~400mm)
最短撮影距離  0.2 m 0.22m(広角) / 0.7m(望遠)
最大撮影倍率  0.3 倍 0.10倍(広角) / 0.23倍(望遠)
開放F値 F2.8 F3.5
最大径x長さ 69.9×84 mm 77.5×99.7 mm
重量 382 g 455 g
フィルター径 62 mm 72 mm
発売日 2013年11月29日 2019年3月22日
防塵防滴 あり あり(最上位モデルのPROレンズ並み)
価格 2021.04.14現在 新品:90800円(中古:50000~60000円) 新品:79920円(中古:70800~78020円)

ゆずがまだ所有しているM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROとの比較。5倍も遠くを撮れる代わりに、F値の低下、近接撮影性能の低下、大きさ・重さの増大を受け入れなければなりません。また心境的にPROレンズからグレードダウンするような気持ちもありました。

※左が12-200mm、右が12-40mm。望遠でかなり伸びます。

大きく・重くはなりましたが、5倍も遠くも撮れるようになって【73g増】【7.6mm太く、13mm長く】程度なのでデメリットというよりも、よくこの大きさと重さで抑えられたと感心する方なので、許容できる問題でした。

撮影に関しては使用した人の感想である【望遠はやや描写の低下】と、スペックから見れる【近接撮影性能の低下】がどんなものか気になるところでした。

値段に関しては、大手のニコンやキャノンが出している24-200mm前後の高倍率ズームレンズに比べると3~5万ぐらい違うので安い方です。そして12-40mmの中古PROレンズのコスパが優れますね。

外見

レンズ外見を撮影しているのはE-M1MarkⅡ+12-40mmの組み合わせです。

12-40mmに比べて、ややプラスチック感はありますが、全体的な造りは良いです。ズームリングとピントリングのカットもつかみやすいですね。

フードはメイドインジャパン。12-40mmに付属していたフードは中国製だったので、地味に嬉しかったです。ちなみにフードはロック式ではありませんが、しっかりとハマるので今のところ外れるようなトラブルはありません

12-40mmのレンズよりも大口径。フィルターサイズが違うので、買い替えるのがやや難点。

大きさの比較です。みんな大好きナルゲンボトルの500mlに登場してもらいます。先ほどの12-40mmと比べていたから分かるように、望遠域の伸び方がなかなか存在感ありますね。

全体的な外見はこのような感じです。

実際の写真を載せる【すべてJPEG】

35mm判換算 24~400mで撮れないものは少ない

広角から望遠までのほぼすべてのシチュエーションで撮影が可能です。当然、野鳥撮影にはまだ望遠が足りないという声もあると思いますが、使ってみると結構いい線まで撮れるのが印象です。

全て35mm判換算で表記していきます!

24㎜

50㎜

126㎜。ここまでくるとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROでは撮れない距離になってきます。

最大望遠距離の400㎜。富士山がちょこんと見える部分から、ジグザグについた登山道まで撮影できるようになります。ここまで絶対に撮れないといけないかというと、そうでもないですが『撮ることが出来る』ことが大事だと思います。

広角域と望遠域の比較

こちらは山の中から海を撮った様子。隣の山が見える場所から、港が見れるぐらいまで撮れるのは感動しました!

山の中から海と、その海の奥に見える山まで撮影出来ます。

24mmだと手前の木が多いような構図になってしまいますが、400mの望遠にすると木々をぼかして奥に見える景色を強調させることも出来ます。

今までのレンズでは、このような開けた場所では24mmでの広角撮影や、出来ても正面の山脈を少しズームで撮るぐらいでした。それが何と電車まで撮れるなんて!

わざわざこの場所から電車のみを撮る人は少ないと思いますが、それだけクローズアップして撮影出来るのは魅力的です。

これも24mm側は12-40mmレンズに近い写りをしている印象です。望遠では正面稜線の左側にある山にクローズアップしてここまで撮ることができます。

山肌の一部の雪が無くなっている様子がしっかりと見れます。

登山道の隅に生えている高山植物や胸の高さ程度の花であれば、撮影は容易ですが、高めに生えている花や草をクローズアップしようとすると、望遠域は必須です。

松ぼっくりをクローズアップして撮りたいのに、12-40mmのレンズでは80mmの最大望遠距離では足りませんので、左側の写真ぐらいまでしか写せません。それが400mmまで撮れるので、松ぼっくりを主役にした1枚を撮影出来ます!

作例【35mm判換算 24~100mm】

あとは作例を貼っていきます。

24mm。大野山にアプローチする途中の道路。田園風景と道路の感じが好きです。

90mm。水路に張られた蜘蛛の巣。この辺の描写は12-40mmの方が良い印象。

90mm。後ろボケはこんな感じです。ボケも悪くはないですが、12-40mmの方が柔らかい印象です。それでも及第点だと思います。

24mm。登山道と富士山などを一緒に撮るときに、24mmの広角域はやはり欲しいところです。

62mm。少し背の高い花は焦点距離が調整出来る方が、結果的には便利なことが多いですね。

36mmでカタクリ。近接性能が悪くなっているとは言え、広角側はまずまず寄れるのでこの距離感ではまだ余裕があります。

24mm。広角側の写真は、12-40mmと比べてもそこまで差を感じませんでした。この辺りは評判通りでしょうか。

24mm。手前に木を入れる様な構図でも、綺麗に撮れている方だと思います。

100mm。葉っぱの葉脈の感じはしっかりと現像出来ていると思います。

作例【35mm判換算 100~200mm】

もうこの辺りは12-40mmのレンズでは撮影出来ない領域。とはいえ、近くまで寄ることが出来れば撮影は出来ますので、必ずしも撮れないという訳ではないです。

150mm。望遠にすることで後ろボケは出やすくなります。先端の毛先まで解像していますが、12-40mmの方が解像感はやはり上の印象ですね。

196mm。12-40mmでも良く撮影した苔の写真。望遠の方が最大倍率が良いので、マクロ要素の使い方が出来るのですが、被写体から70cmは離れないといけないのです。足元にある高山植物をマクロっぽく撮りたいのに、結構レンズから離さないといけないので少々撮影しにくかったです。

12-40mmのレンズは常に同程度の近接距離で撮影出来たので、足元にある近場の花もすぐに撮影出来ました。近接撮影は12-40mmの方がやはり撮りやすいですね。

198mm。少し見上げたところにあるのは得意なんですけどね。

188mm。オトメツバキを撮影しています。ある程度はアップで撮影出来る能力は持っているので、悪くはないです。まずまず寄れる方の性能をしていると思いますし。

112mm。距離が確保できると、動物も逃げないことが多いので、猫も撮りやすいです。

作例【35mm判換算 200~400mm】

ここからは他社の高倍率ズームレンズでもない領域。評判的にはこの望遠域がとくに解像度が心配とされている部分です。参考までにしてください。

356mm。写真自体は被写体が近くにあれば撮れますが、民家の畑の真ん中あたりにあった野菜を撮影。水滴も解像はしている方だと思います。

400mm。この焦点距離があると鳥も少し狙える距離になります。ただ望遠レンズに比べると確かに解像感は低い印象。悪い言い方ですが、8割程度ではあるものの、この鳥の構図が撮影ができること自体がやはり利点かと思います。

400mm。とはいえ、さらに離れた鳥は限度があるので、全ての鳥を万能には撮れませんので悪しからず。

356mm。この構図だけを見れば足元にあるのをしゃがんで撮っている感じがしますが、山の斜面に咲いているイワウチワを撮影しています。

この12-200mmのレンズを付けていなければ、この山行ではイワウチワの写真は納められなかったと思います。こうゆうチャンスを掴めるレンズです

400mm。結構高めに咲いていた桜。

400mm。オトメツバキ二枚目です。先ほどよりも焦点距離が遠いので倍率が高く、よりマクロに撮れます。これぐらいが限界ですね。

400mm。寝転んで手をペロペロする猫。12-40mmではほぼ撮れなかった距離感での1枚。

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※2022年2月25日に400mmを多用した野鳥撮影を題材にした記事を作成しました。よければそちらも参照ください!

暗所撮影は未体験

このM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3では、まだ山での星空撮影の機会に恵まれていません。F3.5なので撮れないことは無いでしょうが、星空撮影に力を入れる場合はより広角の明るいレンズを別で持っていくほうが良いと思います。

ちなみ夜の照明のみがある温泉を撮影する機会があったのですが、広角側のF3.5を使用したり、ISO6400ぐらいまで上げれば手ブレ少なく撮影出来ます。望遠側にするとF6.3まで暗くなってしまうので、暗い室内で望遠域を使った撮影は苦手です。

ただゆずが使用しているカメラボディが2020年に『E-M1』から『E-M1MarkⅡ』に進化して、高感度耐性の向上・手振れ補正の向上もあったので、初代E-M1よりはだいぶレンズが暗くなっていても補える性能をしていました。

フレアは出ます

フレアやゴーストは出るときは出ますね。それでも新しいレンズではあるので、2013年に発売されたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROよりは抑えられている印象です。

フレア・ゴーストも味がある写真に繋がることもありますので、個人的には一長一短ですね。特別多く出現するわけではありませんので、かなり気にすることは無いと、個人的には思います。

まだゾクッとする1枚には出会えていない

良い意味でゾクッとするような、気に入った1枚が撮影できることがふとあります。特に12-40mmレンズで撮影している時はあったのですが、まだ12-200mmでは出会えていません。

12-40mmで撮影した、チングルマおじいちゃんのような1枚を撮って『お!!』ってなるものが少ないかなと。このような写真が良いと思うゆずはマクロ撮影の方が好みなのでしょうね。

ズームリングの一部硬さが目立つ

評判通りではありますが、100から200mm方向にズームリングを回すときに一度引っかかるように止まり、すこし力を強く回さないと動きません。それでちょっと強く回して、動いたと思ったら勢いよく200mmまで回りきってしまいます。

100-200mmでの滑らかなズームインは期待できないと思ってください。写真の時は良いですが、動画撮影の時は致命的です。

ちなみに100mmから200mm方向ほどではありませんが、全体的にズームイン側にリングを回すときの滑らかは悪い方です。12-40mmの滑らかとは桁違いです。

まだズームアウトの方はマシなので、動画を撮るときはズームアウトを多用するか、焦点距離は固定にして動画を撮影されると不自然なカメラワークになりにくいです

解決した方がいれば、めちゃくちゃ教えて欲しいです!!!

動画

このレンズのみで撮影した動画を作成してみました。参考にしてください。ちなみにズームレンズが固いために失敗した動画も今後作成して貼っていこうと思います。

まとめ

  • 焦点距離『35mm判換算で24-400mm』の高倍率はとっても便利
  • 広角は描写良好、望遠はやや良好
  • 広角域では寄れるが、望遠域では寄りにくい
  • 倍率が高いのは望遠なので、望遠の方がマクロ的な要素でアップの写真が撮れる
  • 100-200mmの特にズームインの時のリングの動きが悪い

この辺りがまとめになります。

1点突破型というよりも、8割ほどの力でオールマイティにこなせるレンズだと思います。特に登山中ではそびえたつ樹林帯や遠くの稜線、鳥、花、一緒に登っている仲間、朝日・夕日などと被写体がたくさんあり、撮影するタイミングも様々です。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROは望遠が撮れないという弱点しか無い、コスパ良好の神レンズだと思っています。ただレンズを交換する手間を少なくしたい、替えのレンズ自体を減らして軽量化したい登山というジャンルでは、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3のみでほとんどのシチュエーションが撮影できるという点が何よりのアドバンテージ

描写力よりも利便性・登山の思い出を様々な角度から記録に残したい人にはとてもオススメ出来ます!!

ただズームリングの動きの悪さだけは、ちょっと許せませんけどね。

さいごに

『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO』と『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3』のどちらが良いか…。一方は数年、もう一方は数か月なので断言は出来ません。

ひとまず2021年は『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3』をメインで使用してみますので、アルプス縦走や紅葉の時期など撮影出来る機会があれば追記していこうと思います。

それにしても高倍率ズームレンズに望遠域の400mまで撮れる性能を載せてくるOLYMPUSには感謝いたします。OMデジタルソリューションズになって、今後の展開は気になる所ではありますが、OLYMPUSを愛用していたゆずとしては良い方向に行ってほしいところです。

相変わらずフルサイズカメラの誘惑はあり続けますが、ひとまず2021年はこのレンズを付けて山に繰り出して行きます。色々な景色に今年も出会えるといいなぁ。

それではみなさん、良い山&カメラ旅を!

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