マイテント…。登山を始めた時からテントで泊まることに憧れ、ついにテントを購入するときがやってきました。
しかし、いざ登山テントを購入するときに、種類がたくさんあって悩みました…。
mont-bellのステラリッジやアライテントのエアライズなど、有名なテントがオススメされる中、私は長い付き合いになるマイテントに『ZEROGRAM(ゼログラム)』から販売されている『 El Chalten 2P Platinum(エルチャルテン プラチナム)』を選びました。
今回はEl Chalten 2P Platinumを選んだ理由とその使い勝手について、レビューしていきます。
最新モデル El Chalten Proが販売中
2018年夏ごろに後継機のモデルが出ました。さらにその後El Chalten Pro 2pにバージョンアップして、2020年4月にはEl Chalten Pro 2p/2020が発売するようです。
今回紹介するのは、前モデルの『El Chalten 2P Platinum』になります。
El Chalten Proは結構使い勝手は良くなっている印象です。
2019年のEl Chalten Pro
- 移住性向上(長辺が210㎝→200㎝短くなったが、ポケット類が使いやすく)
- 吊り下げ式アタッチメントの操作性向上
- フライとポールの間隔が狭くなり、耐風性・剛性向上
- 裁縫が丁寧になる
- インナーテントにモノフィラメントという、メッシュだけど水は通さないような素材を使用。フライからインナーテントへの水の侵入しないで通気性向上の素材。
- 軽量化(最小重量1560g→ 1338g)フットプリントは含まず
2020年のEl Chalten Pro(発売前の情報)
- 長辺が200㎝→210㎝に戻る
- フロアコーティングが良くなり耐水性が30000mから4000mmに向上
- フロア面積増大や耐水性向上したため増量??(最小重量1338g → 1540g)
- 新色追加
El Chalten 2P Platinumのスペック
韓国のメーカー『ZEROGRAM(ゼログラム)』が作る、吊り下げ式の自立型ダブルウォールテント。
サイズ:210cm×130cm
高さ:100cm(インナーテント基準)
出入口:長辺側に各1つずつ。計2つ。
最小重量:1.56kg(フライ、インナーテント、ポール)
以下フライやポールの性能を公式サイトより参照。
フライ素材:15D RipStop ナイロン、Sil/PUコーティング
インナーテント素材:15Dナイロン
フロア素材:30Dナイロン PU
ポール:YUNAN T6 ULポール(3本)
ペグ:ZEROGRAM Alpine V-Peg
入り口が2つ!出入りもスムーズ、通気性抜群!
長辺に各1つずつの入り口があります。2人で使用するときは勿論ですが、1人でも調理、靴置き場など前室を分けて使用出来ます。
ちゃんとインナーの両サイドに小物入れのメッシュポケットもあり、2人使用でも使い勝手良好です。
またインナーテントの両入口をメッシュにして、両前室も開くと風通しも抜群となり、開放感が良くなります。
蒸し暑い時期でも使用できるモデルだと思いますね。
設営は5分で出来る。三位一体の特徴。
このモデルはフライ、インナーテント、フットプリントの3つが留め具で繋がっています。
そのためフライに付いているフックをポールに吊り下げるだけで、すべてが一緒に立ち上がり設営が完了します。
あとはペグ打って、調整するぐらいでおおよそ5分もあれば設営可能です。
私も1度予習して、はじめてのテント泊の時も5分ぐらいで設営出来ましたよ!撤収も簡単!
フライのみで自立。シェルターモードにもある多様性
このテントは自立したインナーテントにフライをかけるものではないです。フライだけで自立するようになっており、シェルターとして使うことが出来ます。
まだ私も使ったことがありませんが、寒いところで鍋とかゆっくりとご飯を食べるときに使えそうだと思っています。
El Chalten 2P Platinumを建ててみる
では実際にテントを設営するまでの工程を写真でご紹介します。
※ポール以外の物を1つにまとめるので、片づけやすいように大きめのスタックバックを使用しています。
①まずは三位一体のものを広げる。風が強ければペグダウン。
②ポールを2本出す。四隅にある穴にポールを入れて、立ち上げます。その後、フライについているフックを止めていく。
③上の4つのフックが余るので、もう1本のポールをテント長辺の真ん中に通るように設置する。これが前室の空間を生み出す。
④ペグやガイラインでテンションを調節して設営完了!
ベンチレーション、テント内、前室の写真
El Chalten 2P Platinumを選んだ理由
- 自立式のダブルウォール
- 前室は長辺に欲しい
- 出来る限り軽量モデル
- はじめてのテントなので、尖ったモデルは避けたい
主にこの辺りに着目してテントを探していました。同様な性能を持っており悩んだモデルとしては『アライテント トレックライズ2』『ニーモ タニ2P』『ファイントラック カミナドーム2』辺りです。
- 他の人と被らなそう
- 設営のはやさ
- 2人で泊まるとき、両前室あると便利
この3点が他のモデルとの差で、私がこのEl Chalten 2P Platinumを選んだ理由になります。
特に被らないのは、テント場で見付けやすいことも勿論ですが、所有感が高まりますよね(笑)
El Chalten 2P Platinumを実際に使用して
2018.06 八ヶ岳縦走(青年小屋、本沢温泉テント泊)
2018.07 北八ヶ岳(青苔荘テント泊) 大雨、強風
2018.08 那須連山縦走(三斗小屋テント泊)
2018.08 火打山・妙高山(高谷池ヒュッテ) 夜に雷雨
購入したのが2018年5月なので、まだあまり使用していません。2019年は残念ながら、使用することはなかったです。
今のところ、浸水無し
大雨の一夜を過ごしたのが2回で、今のところ浸水はありません。他のテントを使用したことがないので、何とも言えないですが結露は少ない方だと思います。
設営、撤収のはやさ、入口2つは素晴らしい
ステラリッジ、エアライズを設営している知人よりも設営、撤収がはやかったです。
両サイドの入口も出入りが楽で、通気性も良くなります。これも良かったです。
失敗したこと
テント撤収時に濡れないように
今考えれば当たり前なのですが、フライやフットプリントは朝露や雨で濡れている事が多いです。
設営、撤収が楽だからと3つまとめて袋に入れれば、それは濡れますよね。八ヶ岳の縦走2日目にテント張ったら、インナーテントの中がまあまあ濡れていました…。
フライ、インナー、フットプリントはそれぞれ独立はしているので、撤収時はインナーテントだけ外して別の袋に。
濡れているフライとフットプリントをまとめると良い、と学びました。
インナーテントが乾かせない
先程もご紹介しまたが、フライシートが自立するので、インナーテント単体で自立しません。
自立しないので、非常に乾かしにくい印象です。上記の様に濡らさない工夫が必要です。
スタックザックは使いにくい
付属で付いているスタックザック。防水仕様?のようで元々付属しているものとしては良いのですが、縦長でしまいにくいのです。
フライ、インナー、フットプリント3つを1度にしまうので、ある程度雑にしまうことになります。
時短も兼ねて、私は別途で圧縮できるタイプの大きい袋を使用しています。大きい口の方が、収納時にとても楽です。
前室入口とベンチレーションについて
写真で詳細しましたが、マジックテープだけだと不安です。強風で剥がれたりとかしそうですね。前室も剥がれて、ファスナーから浸水しそうです。
El Chalten 2P Platinumのメリット、デメリット
メリット
- 設営・撤収がはやい
- 2つの出入り口
- 通気性が良い
- 特別に雨に弱い印象はない
- 他と被りにくい、テント場でも見付けやすい
- フライシートだけで自立するので、シェルターとして使える
- グレーの配色が渋くて気に入っている
デメリット
- 入手しにくい
- 修理などのアフターフォローの手間
- 吊り下げ式のため、ややインナーテントの空間が狭い、低い。
- 付属のスタックザックにまとめてしまいにくい。
- インナーテントが自立しない(家で洗ったとしても乾きにくい)
- 値段はやや高め
- かなりの軽量なモデルでは無い
- 裁縫がそこまで丁寧ではない
※裁縫に関しては下記の写真を参照。
さいごに
今回はややマイナーなテント、El Chalten 2P Platinumのレビューをさせていただきました。
最近は多くの軽量モデルが出ている中で、際立った軽さはありません。ただ『入口2つ』『設営、撤収のはやさ』は特徴的であり、面白いテントになっていると思います。
デメリットも挙げましたが、私的には買って良かったと思っています。色味も新モデルより良いですし。
多くのテントからマイテントを選ぶのは悩むと思いますが、手に入れてから愛着がわいてきますよ。
是非マイテントを手にいれて、楽しい泊まりの山行をたのしみましょう!
皆さんのテント泊デビューが良い思い出になりますように!